くたばって仕舞え【文スト】【男主】

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「なんで二人共そんな顔してんの……」


恐る恐る二人に聞いてみる。


何があってそんな顔に……


「いや、あのAさんがとても魅力的で驚いてしまって……」


「私服だとまた違う良さがありますわね」


「……んん〜」


魅力的かぁ……良さかぁ……


えーっと。ううーん。いや無い……


俺そんなの知らない。


「あはは、ありがとう。お世辞でも嬉しいよ」


「そんな事無いですわ！！！」


「そっ、そう？ 」


ナオミちゃんの勢いに飲まれてしまう。


なんか恥ずかしいな。


「じゃあ行きましょうか」


あの店に潤一郎君達は何回か行った事があるらしい。


そして着いた瞬間にテレビとの行列の長さの違いに驚く。


いやもっと短かった気がするんだけど。おい。


「滅茶苦茶並んでる！」


「いつもこんな感じです」


「そうなんだ……」


すごいな。元気だな。


皆より十歳老けてるおじさん、もう死にそう。


「あの、先にどうぞ」


「え……でも大丈夫？」


「はい！」


前に並んでいた女子高校生が譲ってくれた。


この行列で譲ってくれるなんて……！！


「お兄さん前行って良いっすよ」


「？ ありがとう。ご、ごめんねー」


……なんかあっという間に前の方に来てしまった。


「えぇなんでこんなに譲ってくれるの？ 俺ちょっと怖いんだけど何これ……」


「な、なんででしょうかね」


潤一郎君が俺の斜め上を見て答える。


「あぁもしかして、やっぱ大の男が後ろにいると嫌だったかな……」


「Aさんは悪い方に考え過ぎですわ。もっと単純で良いですのに」


「老人に席を譲るみたいな感覚？」


「これは重症ですわね」

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