34.王子様の策略 ページ34
『…………っ！？』
引き出されるように目を覚ました。
はあはあと過呼吸になった私は、身動きがとれない。
そして目の前にあったのは、私のよく知る天井ではなかった。
「おはよう、お姫様？」
『ま、真冬、くん？……』
微かに頬を赤らめた真冬くんの顔が映し出されていた。
どうして？
私、桜公園にいて……。
真冬くんが、王子様じゃないって言って……。
……そうだ。
あの夢！
私と、真冬くんが、小さな姿で、あの公園で……。
走馬灯のように甦ってくる記憶に、頭が追い付かないと言わんばかりに痛みだす。
「僕は、王子様じゃないって、いったよね。
お姫様と一般人、身分の釣り合わない恋をした人たちが最終的に何をするか、知ってる？」
わからない。
先程から、真冬くんのいってることがわからない。
お姫様とか、王子様とか、いくら昔の私が彼にそう告げたからといって、
それは、ただの子供のお遊び程度じゃないのか。
何か、彼が私にそこまでいうことがあったのか。
「駆け落ち」
その声が、冷たく言い放たれた。
駆け、落ち！？……
え、え！？な、なんで！？
そ、そんな歳じゃないでしょ！？
『ま、真冬くっ！？』
「大丈夫だよ、こう見えてお金は持ってるんだ」
『そ、そういう問題じゃなくて！！』
慌てて上半身を起こして、暴走する彼を止めるように肩を掴む。
おかしい。今の彼は何かがおかしい。
私、ついていけない。
『わ、わかんない……！どうして、急に駆け落ちなんか！まだ、高校とか、あるし！……そ、それに！』
「また、君はいなくなるの？」
『…………え？』
また？
「君がトラックに轢かれたって聞いたとき、僕がどんな気持ちだったかわかる？
君がトラックに轢かれても、君のお母さんは心配すらしていなかったって聞いたとき、どれだけ君のお母さんを殺そうと思ったか、わかる？
僕がこの町に戻ってきて、君が虐められているってわかったとき、腸が煮えくり変えるような気持ちだったんだ。
でもね、同時に嬉かった」
ペラペラと話し始める彼に戸惑いを隠せずにいる。
私と彼は、昔会っていた。
私は、交通事故にでもあったの？
そして、お母さんは、心配してくれなかったの？
それで、私がいじめられて嬉しいって、なに？
怖い。なんなの。
こわい。
「君の周りが君を助けてくれない。なら、僕が助ける。そうすれば、君は僕のもとに堕ちてくれるって、思ったからね」
え…………？
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いるよ - あああああああああああ！！！最高です！！なんか最後のところ泣いちゃいましたｗヤンデレにハマってしまった…素敵な作品ありがとうございました！ (2022年12月7日 0時) (
レス) @page45 id: 7464634473 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ - とてもよかったです！その後話がもっと欲しい！ (2022年3月9日 1時) (レス) @page45 id: 5ad0b4ef6a (このIDを非表示/違反報告)
月次 - 僕の好みどストライクのヤンデレです！とっても面白かったです。これでもっと想像の幅が広がる…！ありがとうございました！ (2021年3月28日 9時) (レス) id: 34cc41e784 (このIDを非表示/違反報告)
一ノ瀬かるら(プロフ) - 心臓が泣き叫んでおります大歓喜 (2020年8月23日 0時) (レス) id: 018ad8bd5d (このIDを非表示/違反報告)
鶯餡(プロフ) - 雨月冷さん» 本当にいつもありがとうございます……！！マーライオンwwwそのくらい泣いてくれたんですね！嬉しいです！私も目からマーライオンです！はい！楽しみに待っていってください！ (2020年2月25日 7時) (レス) id: 6bb0fe0dd0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鶯餡 | 作成日時：2020年1月6日 22時
