33.王子様とお姫様 ページ33
あれからいつのまにか、彼女とこの公園で話すことが多くなった。
ほとんど本を持ってきたりして、その子の言葉をあしらったり流したりしていただけだったけど。
まだ、とてもじゃないけど信じきれないから。
でも、
最近、どうしてかその子を目でおってしまう。
公園の花壇に咲く花をみると柔らかく、花より優しく微笑む。
僕がちょっとからかうと、ぷんぷんとほっぺを膨らませて、怒る。
怪我をしている小鳥を拾っただけで、今にも泣きそうな顔をする。
右往左往する君の表情が、僕の脳裏に残る。
『ねえ！まふゆ！』
……あの子、Aは僕の名前を教えてあげた日からまふゆ、と呼び捨てするようになっていた。
僕は、この名前が好きじゃないのに。
どうしてか、この名前を呼ばれ度心が暖かくなる。
『私、さいきんシンデレラのえほんをみたの！』
「……はあ」
いや、なんだよ。
急に何を言い出すかと思えば。
シンデレラ、確か王子様とシンデレラが結ばれる話だったっけ。
『わたしっ！！！シンデレラみたいなおひめさまになりたいの！！！』
「は？」
いやいや、なにをいってるんだと思えば。
ただの妄言か。
なんて聞き流すと、彼女は更にご立腹になり始める。
『いやちょっと！無視しないで！！』
「僕に関係ないし」
『か、関係あるもん！』
「じゃあなに？」
突っ込むように問い掛けると、
彼女は顔を真っ赤にしながら目をうろうろと泳がせる。
え、なに？
突然の反応に困ってしまった。
『……それ、は、その、……』
「お姫様になりたきゃ勝手になればいいじゃん」
『ち、ちがう！まふゆにも関係あって……』
だからなに？
と、更に声をかけた。
『………………』
「はあ、呆れた、もう僕かえっていい？」
帰りたいだなんて、微塵も思っていないくせに。
僕は、そう言った。
言葉に少しの後悔を生んでしまった。
『ま、まふゆに、私のお、王子様になってほしいの！』
それは、大きな桜の木の下での言葉。
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いるよ - あああああああああああ！！！最高です！！なんか最後のところ泣いちゃいましたｗヤンデレにハマってしまった…素敵な作品ありがとうございました！ (2022年12月7日 0時) (
レス) @page45 id: 7464634473 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ - とてもよかったです！その後話がもっと欲しい！ (2022年3月9日 1時) (レス) @page45 id: 5ad0b4ef6a (このIDを非表示/違反報告)
月次 - 僕の好みどストライクのヤンデレです！とっても面白かったです。これでもっと想像の幅が広がる…！ありがとうございました！ (2021年3月28日 9時) (レス) id: 34cc41e784 (このIDを非表示/違反報告)
一ノ瀬かるら(プロフ) - 心臓が泣き叫んでおります大歓喜 (2020年8月23日 0時) (レス) id: 018ad8bd5d (このIDを非表示/違反報告)
鶯餡(プロフ) - 雨月冷さん» 本当にいつもありがとうございます……！！マーライオンwwwそのくらい泣いてくれたんですね！嬉しいです！私も目からマーライオンです！はい！楽しみに待っていってください！ (2020年2月25日 7時) (レス) id: 6bb0fe0dd0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鶯餡 | 作成日時：2020年1月6日 22時
