29.まふゆ ページ29
…………やばい。
言ってしまったのかも。
帰り道。
バスに乗って私は考えていた。
お昼休みに翔太くんにからかわれて、あんなことをいってしまったはいいものの、
相川くん、悲しそうな顔をしていた。
もしかして、私と付き合ってるの想像して嫌だったんじゃ……！？
うわぁ、あり得る。
あり得る可能性なのが辛い。
……でも、あんなに悲しそうなのは、何でだったんだろう。
ちょっとやそっとの悩みじゃ表れないほどの悲しみだった。
……ま、まさか！？
桜公園の桜の木の下で告白をして、振られたとか！？！？
その噂を信じてたのに、振られて悲しかったとか！？
ありそう。
ものすごくありそう。
……でも、相川くんに好きな人、いるのかな。
そう思った瞬間、心臓が削られるように痛み始めた。
チクチク、と針で差すような痛みだったけと、それでも、苦しいのはかわりない。
でも、私みたいな女が、相川くんといるなんて、奇跡みたいなものなんだよね。
相川くんは、どうしていつも私を助けてくれるんだろう。
いじめの件も、あのときの電車の事件も、
ずっとずっと、嫌な顔をせず笑って救ってくれた。
それが、どれだけ自分の糧になったか、
消えたいと思っていた心が浄化していく、そんな感覚だった。
『まふゆ、くん』
ポツリ、と彼の名前を呟いた。
恥ずかしさで、胸がいっぱいいっぱいになる。
まふゆ、まふゆ、まふゆ、
冷たそうな名前だけど、私はとても暖かい名前だと思う。
そうだ。
私、昔から冬が好きだったんだっけ。
でも、どうしてかはわからない。
何故か、本能から冬が好きなのだ。
一番寒い季節だけど、とても暖かい季節。
そしていつのまにか、バスはついていた。
ゆっくりと降りて、少しだけ歩くと、桜公園に続く道があった。
いつもは、無視していたのに。
何故か、あの噂も含めて忘れられない。
一回、行ってみようかな。
足を変えるのには、それほど時間はかからなかった。
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いるよ - あああああああああああ！！！最高です！！なんか最後のところ泣いちゃいましたｗヤンデレにハマってしまった…素敵な作品ありがとうございました！ (2022年12月7日 0時) (
レス) @page45 id: 7464634473 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ - とてもよかったです！その後話がもっと欲しい！ (2022年3月9日 1時) (レス) @page45 id: 5ad0b4ef6a (このIDを非表示/違反報告)
月次 - 僕の好みどストライクのヤンデレです！とっても面白かったです。これでもっと想像の幅が広がる…！ありがとうございました！ (2021年3月28日 9時) (レス) id: 34cc41e784 (このIDを非表示/違反報告)
一ノ瀬かるら(プロフ) - 心臓が泣き叫んでおります大歓喜 (2020年8月23日 0時) (レス) id: 018ad8bd5d (このIDを非表示/違反報告)
鶯餡(プロフ) - 雨月冷さん» 本当にいつもありがとうございます……！！マーライオンwwwそのくらい泣いてくれたんですね！嬉しいです！私も目からマーライオンです！はい！楽しみに待っていってください！ (2020年2月25日 7時) (レス) id: 6bb0fe0dd0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鶯餡 | 作成日時：2020年1月6日 22時
