26.和解 ページ26
ーーーー「ねえ、今何て言ったの？」
その、低い声に思わず体が跳ねる。
そして彼の方を見つめると、にこにことした笑顔で、どす黒いオーラを放っていた。
言わずもがな、相川くんだ。
でも、いつもと雰囲気が違う。
こわい、なんだか知らない人みたい。
『い、いや、……あ、あの、だから、私が相川くんと離れれば……』
「僕はAちゃん以外と仲良くする気なんてないよ？」
「ほ、ほら！僕が潔く諦めた方がいいんだ！」
振り出しに戻ってしまった。
でも、私がいなくなれば、天宮さんは満足すると思う。
きっと、相川くんは今はこんなこといってるけど、日もたてば天宮さんのことを見直すだろう。
『で、でも……』
「僕はAちゃんじゃないと仲良くしない」
つーんと、冷たい反応をして顔をそらした相川くんに私は混乱する。
私に執着する必要性と理由はいったいなんなんだろう。私にいいとこなんてひとつもないのに。
でもこれじゃ、天宮さんが辛いだろうに。
『……あっ！じゃあ、三人でいればいいんだ！そしたら天宮さんも相川くんと話せるし、私も相川くんと話せる！うん！決まり！』
ぽんっ、と手のひらに拳を下ろした。
その場の二人の目が開く。
そうだ！三人でいればいい。
これでお互いの悩みは解消できるわけだし、これは名案だと思うんだよね。
「……Aちゃんがそう言うなら、不本意だけど、すっごく不本意だけど、いいよ」
「あの、本当にいいの？」
渋々受け入れてくれる相川くんと違い、
天宮さんはまだ心配そうだ。
『だって、相川くんと仲良くなりたいんでしょう？なのに相川くんに近づけさえしないなんて悲しいじゃない』
腕を背にして、にこっと笑った。
仲良くなりたいのに、話せないなんて寂しいよ。
だから、この方法が一番いいはず。
私も、三人で過ごした方が楽しいかなって思うし。
「………………ありがと」
天宮さんは、にっこりと笑う。
それは不器用で、恥ずかしがりながらの笑顔だった。
_____________
「あ、あと、天宮さんじゃなくて翔太くんって呼んで。僕､仲良い子とは名前呼びじゃなきゃやだ」
『翔太くん？……』
「うんうん」
『私、男の子を名前呼びするの初めて！』
「ねえ、翔太くん？？」
「うげぇっ！？な、なに、……真冬くん」
「僕が楽しみにしてた初めて、奪わないでくれる？」
「怖い怖い怖い怖い！！」
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いるよ - あああああああああああ！！！最高です！！なんか最後のところ泣いちゃいましたｗヤンデレにハマってしまった…素敵な作品ありがとうございました！ (2022年12月7日 0時) (
レス) @page45 id: 7464634473 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ - とてもよかったです！その後話がもっと欲しい！ (2022年3月9日 1時) (レス) @page45 id: 5ad0b4ef6a (このIDを非表示/違反報告)
月次 - 僕の好みどストライクのヤンデレです！とっても面白かったです。これでもっと想像の幅が広がる…！ありがとうございました！ (2021年3月28日 9時) (レス) id: 34cc41e784 (このIDを非表示/違反報告)
一ノ瀬かるら(プロフ) - 心臓が泣き叫んでおります大歓喜 (2020年8月23日 0時) (レス) id: 018ad8bd5d (このIDを非表示/違反報告)
鶯餡(プロフ) - 雨月冷さん» 本当にいつもありがとうございます……！！マーライオンwwwそのくらい泣いてくれたんですね！嬉しいです！私も目からマーライオンです！はい！楽しみに待っていってください！ (2020年2月25日 7時) (レス) id: 6bb0fe0dd0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鶯餡 | 作成日時：2020年1月6日 22時
