21.愚者の鳴き声 ページ21
……え、どうして急に？
と、問いかけようとしたところ、電車が大きな音を出してやって来た。
いや、でも多分社交辞令か何かだろう。
本気で頼ったら、きっと迷惑するに違いない。
ぞくぞくと出ていく人と同じように、乗っていく人もどんどんと乗っていく。
皆が乗っていくのを見て、私も乗ろうか。
そう足を踏み出し、やっと乗った、という時だった。
とん。
その音が響いてから、駅のコンクリートに叩きつけられた。
『いっ……！』
すぐさま顔をあげる、そこには相川くんと響希さんが仲睦まじげに話している後ろ姿。
私のことなんて見向きもしていない。
そしてその二人に背を向けてたっているのは、天宮さん。その浮いている手のひらから、私を押したと勘づいた。
『ちょっ！……』
何をするの！？
と声をあげようと立ち上がったときだった。
その瞬間、電車のドアはしまり、私は乗れなくなった。
そして電車は、進み始めた。
『_________へ？』
顔を青くしている私の瞳には、ニヤリと笑う天宮さんが一瞬だけ見えた。
そ、んな……。
あっ！次の電車！次の電車なら……！！
ーーーーー「うわ、この電車逃したら一時間後じゃん！あぶねえ！」
……一時間後。
真っ暗だ。とても高校生が歩くような時間帯ではない。
ど、うして。
どうして私が、こんなこと……。
泣きたかった、泣き叫びたかった。
でも、ここは公共の場、周りの人に迷惑がかかる。
ふらふらと改札に向かい、駅員さんに電車を逃してしまったことを告げる。
「え？い、いいのかい？一時間後でもあるよ？」
『もう、いいです。すみません……』
駅員さんにそう言われても、変わる気はなかった。
今ここで家に帰ったところで、もしかしたら明日、学校で何か言われるかもしれない。
“どうして帰ってきたの”って。
……そうだ、天宮さんは相川くんをすごく取りたがってたというか、欲しがっていたというか。
多分それで、いつも絡んでいる私に目をつけたんだろう。
そして駅を出た先は、もう真っ暗だった。
女が一人出歩くのは、危ない時間だろう。
でも、私みたいな魅力もない女が襲われるわけなんてない。
何処か、そんなことが結論付いていた。
そしてふらふらと、道もわからぬままにやってきたのは、何処かの小さな公園。
色々疲れたので、すぐに近くにあったベンチに腰かけた。
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いるよ - あああああああああああ！！！最高です！！なんか最後のところ泣いちゃいましたｗヤンデレにハマってしまった…素敵な作品ありがとうございました！ (2022年12月7日 0時) (
レス) @page45 id: 7464634473 (このIDを非表示/違反報告)
ちょこ - とてもよかったです！その後話がもっと欲しい！ (2022年3月9日 1時) (レス) @page45 id: 5ad0b4ef6a (このIDを非表示/違反報告)
月次 - 僕の好みどストライクのヤンデレです！とっても面白かったです。これでもっと想像の幅が広がる…！ありがとうございました！ (2021年3月28日 9時) (レス) id: 34cc41e784 (このIDを非表示/違反報告)
一ノ瀬かるら(プロフ) - 心臓が泣き叫んでおります大歓喜 (2020年8月23日 0時) (レス) id: 018ad8bd5d (このIDを非表示/違反報告)
鶯餡(プロフ) - 雨月冷さん» 本当にいつもありがとうございます……！！マーライオンwwwそのくらい泣いてくれたんですね！嬉しいです！私も目からマーライオンです！はい！楽しみに待っていってください！ (2020年2月25日 7時) (レス) id: 6bb0fe0dd0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鶯餡 | 作成日時：2020年1月6日 22時
