王子様のお姫様【まふまふ】

15.お弁当のおかず ページ15

「……ふふふ、こんにちは、真冬くん」

「僕のことを名前で呼んで良いって許可した覚えはないんですが？天宮くん」

「辛辣だなぁ」



い、今目の前ですごい攻防戦が繰り広げられている気がする……。

でもなんで相川くんはこんなにも天宮くんに反発的なんだろ。




「……あれ、もしかして、君が彼の“初めてのお友達”てやつ？」

『ひっ……』



ちらり、と私に視線をむける。
学校一爽やか系イケメンの彼の視界に入ることなど恐れ多くて、そして女子の視線が怖すぎて私は縮こまる。


しかし、天宮さんはお構いなしに上から下までじろりと見つめてくる。
恥ずかしすぎて死にそう。




「……ねえ真冬くん、この子の何処が良いの？」



言ったぁぁぁぁぁぁ！！！
めちゃめちゃ言われたぁぁぁぁぁぁぁ！！

学校一爽やか系イケメンで有名な天宮さんに言われるとすごく胸がいたい……。

ええ知ってますよ。私そこまでかわいくないですよ。



「ないしょ、何で君に言わなきゃいけないの？」

「てかさぁ、こんな女と遊んでないで僕と話そう？僕といたらもっとかわいい女の子と話せるよ？」



痛い！胸がいたい！！

こんな女って言う言葉がグサグサと胸に突き刺さる。



「別に、かわいい女の子には興味ないかなぁ」


ひ、否定してくれなかった……！
こんな女って言われて、何処か「こんな女じゃない！」って相川くんが言ってくれるを望んでいたようだ。


少し悲しい。
彼にとっては私なんて虫けら同然……。




「じゃあ！信頼とか！先生からの人望も熱くなるよ？いいの？」

「それも興味ない」

「えぇ！？関心なさすぎない！？何思っていきてんの！？」




天宮さん、それはちょっと言い過ぎじゃ…。









「んー、明日のお弁当のおかず？」



私の方を見て、彼はにっこりと笑ってくれた。
明日のお弁当のおかずって、もしかして、私の分も……？

うわぁぁぁぁぁぁぁぁ！！
やっぱり、相川くんかっこよすぎる……！！

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