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あれから俺とAは、毎日この神社で会うようになった。
彼女は話せば話すほど笑顔がよく出てくる。
真冬ほどではないが、角がとれたような印象があった。
「で！お父様ったら「お前はまだ小さいから」っていって、厨房にも入らせてくれないの！」
「あー、確かに、Aは小さいね」
俺からしたら、もう赤ちゃんだ。
クスクスと笑いながら告げると、次第にAの顔は真っ赤になり、ぷくっと頬を膨らませた。
「な、な、なんですって！そらるのほうが私より小さいじゃない！」
「背の話じゃないよ
…………それに、」
あと千年もすれば君なんてすぐに追い越せる。
ああ、君はもう生きてないけれど。
Aは15歳。だけど俺は見た目は10歳。
確かに、彼女が俺の方が小さいという理由もわかるけれど。
1000年も生きたっていえば、きっと気持ち悪がってしまうんだろうなあ。
嫌われちゃうんだろうな。
そう思うと、ちくちくと胸が痛んでくる。
「……それに、なに？」
言葉の続きが伝えられなくてキョトンとした彼女は、ぱちくりと目を瞬かせる。
そんな姿も可愛らしい。
「ううん、なんでもない」
首を振った。笑って。
ここ最近は彼女といるのが唯一の幸せなのに。
張り裂けそうなほど胸が痛むのはなんでなんだろう。
ぎゅっ、と自分の胸元を抑える。
真冬にだって、こんな感情は抱かなかったんだから。
***********
「ねえ、君はどうしたら言いと思う？」
夜。
天界の家に帰って、縁側に腰を掛ける。
夜空の奥には、真冬の世界が広がっていると信じて、たずねた。
このどうしようもない感情に
名前があるのなら
それを知りたい
花が咲き乱れるような優しげな笑み。
少しだけ俺に見せてくれた、氷のように冷たい涙。
顔が真っ赤になって、炎みたいな情熱的な怒り。
そのどれもを想っても、胸は焼きこがれた。
これを、人間の言葉でなんていうんだっけ。
_______愛しい。
かつて誰かが、そう言った気がする。
あぁ、俺はあの子に恋慕してるんだ。
どうしようもないくらい。
愛しいほどに。
そうだ。
この気持ちを紙に書き記そう。
いつか彼女がいたくなったその時に、彼女のことが思い出せるように。
愛しいあの子に、縋るために。
_____________
23話……。(意味深)
・恋慕……恋い慕うこと
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ちょこ - とてもよかったです！その後話がもっと欲しい！ (2021年9月26日 13時) (
レス) @page42 id: 5ad0b4ef6a (このIDを非表示/違反報告)
しろむ(プロフ) - ２ヶ月ほど占ツクを離れていたら、完結していてビックリです！うぐいすあんさんの作品大好きです。今回も素晴らしい小説ありがとうございます (2020年1月31日 21時) (レス) id: 3eaa2e0c73 (このIDを非表示/違反報告)
鶯餡(プロフ) - すばるさん» 私もすばるさん好きです〜！そらるさんの可愛さを最大限引き出せましたかね！？こちらこそ読んでいただきありがとうございました！ (2019年12月19日 13時) (レス) id: 6bb0fe0dd0 (このIDを非表示/違反報告)
鶯餡(プロフ) - 雨月冷さん» いつもありがとうございます！優勝できましたイエーイ()今回はほんわか系を書いていたのでどうしても過去編がシリアスになってしまいました……。はい！楽しみにしていてくださいね！ご満足できるような作品を作れるよう頑張ります！ (2019年12月19日 13時) (レス) id: 6bb0fe0dd0 (このIDを非表示/違反報告)
鶯餡(プロフ) - らfkー(らふきー)さん» ありがとうございまrrrrrrrrrrrrrrrrrrす！過去編はかなぁり凝っているので、泣いていただくほどのお話ができてとても光栄です！ (2019年12月19日 13時) (レス) id: 6bb0fe0dd0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鶯餡 | 作成日時：2019年11月10日 22時
