空の神様と意地っ張り女の子【そらる】

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すみません申し訳ございませんごめんなさい
毎回恒例お話飛ばし！
すみませんでした……


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スッ、と音を隠して歩く。
そらるの部屋に向かっているのだ。

あのあとずっと考えた。
そらるのことを好きと自覚したはいいけど、所詮私は生け贄だ。
そらるよりずっと何もできない女。




ならばもとの世界にかえって、初心に戻ろう。

あの村の権威から立ち直れる時、私は強くなったって彼のもとへ帰れるから。






小刀を懐に隠して、彼の寝床に近づく。
そこには、ぐっすりと眠っている神の姿があった。
神が無防備に寝てるんじゃないよ……。


殺すつもりはない。
血を少しとって、明日(そろそろ明日だけど)あの小屋に持っていく。

大丈夫。
狩りは得意中の得意なんだから。







彼の体に近付いて、その布団から出ている腕をつかむ。
男にしては細くて、白くて。力をいれればすぐにおれてしまいそうな腕。


ここに刃物を刺して血をとれば、私はもとの世界に帰れるはず。

痛くしないから。すぐに終わるから。少しだけ、我慢してね。




「…………ぅ…」



寝息が聞こえる。
よし、起きていない。

小刀を持つ手を、肌に近づけていく。








今だ！



それは肌を切り裂いた…………









わけはなかった。





『っ！？』



パシッ、とその腕を捕まれる。
起きてｯ！？……
彼の上半身は起きあがり、私の腕をぎゅうっと掴む。

痛みで不意に小刀を落としてしまい、カラン、という音が聞こえる。



「何をしていたの？」



あぁ、気づかれてしまった。
狩りは得意だったのに。



「その小刀で、俺をどうするつもりだったの？」


元の世界に帰りたいから、血をとろうとした。
そんなことをいえば、彼は怒るだろうか。

何も言えない。
嫌われたかもしれないという恐怖が勝って、何も言えないのだ。



「俺を殺すつもりだった？」

『なっ！そ、そんなこと……！』



少し血をとるだけだったのに。

恐ろしいような空間が広がる。
この静かな空気は、私にとって耐えられなかった。



「ダメだよ。A」



怒られる。嫌われる。
ビクビクと震えたその体。その手に……。









彼は、小刀を再度持たせた。






「俺を殺すなら、ここ」




指でとんとん、と自らの白い首もとを指す。
まるで、死にたいかと言っているように。

殺されたいかと、言っているように。




目の前の男が、怖くてたまらなかった。

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