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「……僕に？これを？」
『そう、あ、これは棗があげといてって言ったからだからね？別に私の意思じゃないから！』
キョトン、と座り込んでいる相川に、バームクーヘンを見せる。
「あんた痩せてるからもっと食べて」とは何だか恥ずかしく、棗を使うことにしてしまった。
『言っとくけどね！お母さんのおやつは世界一なんだから！！食べないと人生の八割損するよ！』
「マザコン」
『さっさと食え』
マザコン、といわれたのが癪に障ったのでぐいっ、とさらに相川に近づける。
どうしてそこまでたもたしてるんだ。
苛立ちを覚え始めていた。
「いらない」
『_____は？』
「いらない」
はあぁぁぁぁぁぁぁ！？！？！？
なにこいつ！！いらない！？いらないって言ったの！？ねえ！？お母さんのおやつを！？はっ！？！？
『なんでよ！！ものすごく美味しいのよ！？』
「僕甘いもの苦手だし……それに、」
「手作りのはAのしか食べたくない」
真剣な瞳でそう訴えられ、頬に熱が集中する。
ぐう、のぐの字も吐けなくて、心臓が無駄にうるさく感じた。
でも、お母さんの料理を侮辱されたことには代わりない。
『お母さんのおやつ美味しいよ』
「Aがいい」
『ふわっふわで、ほっぺおちるよ』
「Aがいい」
『これ食べると、元気になれるよ』
「Aがいい」
『あぁもう早く食べろ！！』
ずっと同じ返事を繰り返している相川に更に苛立ち、タッパーからバームクーヘンを取り出す。
そして、相川の前に差し出した。
味を知らないからそんなことが言えるんだよ！！
「食べさせてくれるの？」
『自分で食べろ』
「ならいらない」
『あーわかった食べさせてあげる！あげるから食え！！』
もうなんなんだこいつは。
私のしか食べないといっているくせに最終的に私が食べさせるとか。
なんだかこいつの策略にはまっているようにしか思えない。
『はい、』
「ちゃんとあーんっていってくれないと口あけないから」
ただ口元に差し出すだけした。
が、相川は不満そうに顔をそらす。
ああムカつく！！なにもかもムカつく！！
『あ、あーん』
渋々そう呟くと、相川は口を開く。
私はその相川の口に少しずつバームクーヘンをいれていき、相川は一口目をかじった。
ドキドキ、と咀嚼する相川を待つ。
何かいうかと思えば、二口目、三口目とバームクーヘンを食べ進めた後……
私の指をくわえた。
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ちょこ - とてもよかったです！その後話がもっと欲しい！ (2021年3月14日 1時) (
レス) id: 5ad0b4ef6a (このIDを非表示/違反報告)
鶯餡(プロフ) - リート@暫く浮上しません。さん» 返信が遅れてしまい申し訳ございません……！！ありがとうございます！そういっていただけてとても嬉しく思います！はい！だらだらします！()コメントありがとうございます！ (2019年11月9日 21時) (レス) id: 6bb0fe0dd0 (このIDを非表示/違反報告)
リート@暫く浮上しません。(プロフ) - 完結おめでとうございます。最初から最後まで二回も見るくらい、面白い作品でした。羨ましい。ゆっくり休んで疲れを癒してくださいね。改めまして、完結おめでとうございます。 (2019年10月4日 7時) (レス) id: 5e7567a452 (このIDを非表示/違反報告)
鶯餡(プロフ) - 雨月冷さん» こちらこそいつもみていただきありがとうございます！！このお話、結構ストーリー凝っていたのでそういっていただけると頑張った甲斐があります！はい！是非楽しみにしていてくださいね！頑張ります！ (2019年10月3日 23時) (レス) id: 6bb0fe0dd0 (このIDを非表示/違反報告)
鶯餡(プロフ) - 絆さん» こちらこそいつもありがとうございます！！あ、その心配はありませんよ！私、めちゃめちゃずぼらですので！！( ・`д・´)ご心配していただけて誠に嬉しく思います！ありがとうございます！！！！ (2019年10月3日 23時) (レス) id: 6bb0fe0dd0 (このIDを非表示/違反報告)
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