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「__はぁ、止められてよかったぁ……」
『あの』
と、胸を撫で下ろし、溜め息をついている彼に一言呟いた。
一ノ瀬さんは「ん？」と目をぱちくりさせ、私の言葉を待つ。
『___この事はどうか、ご内密にしていただけると、嬉しいです……。』
どうせ一ノ瀬さんが帰ったら、一人で死ぬのだから意味なんてない。
けど、ハッキリというと、自分が死のうとしたときに誰かにみられるのは正直なんか恥ずかしいのだ。
死んだあとにそんな話が広がったらもう死ねる。その時はもう死んでるはずだけど。
「___死にたい、ですか？」
『_____』
その質問に、言葉も出さず頷く。
辺りは不穏な空気で、軽はずみに発言できるような場面ではなかった。
死にたい。そうである。
生きてたとて何にも楽しくない。
私は誰からも裏切られて、嫌われる。
それが一生続くのなら、死んだ方がましだ。
悲しんでくれるのは、せいぜい両親ぐらいかな。
両親には迷惑をかけたくなどないから。
しかも、金目のものは全部両親に送ったし、荷物だってほとんど捨てた。
全部死ぬため。楽に死ねるため。
なのに、邪魔をされた。
その事実によって少なからず、目の前の一ノ瀬さんに好印象は感じられなかった。
「_じゃあ、死ぬ前に、全部。洗いざらい吐いてくれませんか？」
『_____え？』
「どうせ死ぬんなら、少しくらい背負うものが軽くなってから死んだろうがあとから楽でしょう？」
何をいっているんだ、この人は。
そういった眼差しで一ノ瀬さんを見つめる。
しかし、彼の真剣な眼差しは崩れることを知らなかった。
「その、俺、そんなに苦しい経験とかしたことないし、結構脳天気なんです。でも、お話聞くぐらいなら役に立てるかなって」
ふわり、と彼は美しく笑う。
元々たれ目な目は細くなり、白い肌の頬は赤が強くなる。
とにかく綺麗だった。
あの頃交際していた彼は結構薄い褐色だったから、さらに美しく感じる。
暫く見つめていたので、一ノ瀬さんは無自覚に首を捻らせる。
あぁ、きっとこの人は、善人だ___
そこから次第に、私の口は軽くなっていった。
なにもかもはいた。生涯のこと。
あまり国語は得意ではなかったので、きちんと伝わってるか不安だったが、彼は「うん、うん」と優しく相づちをうってくれた。
嬉しかった。ただただ嬉しかった。
自分をわかろうとしてくれてる人が、ここにいるんだってことに。
そして私は涙した。彼の胸の中で。
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ちょこ - とてもよかったです！その後話がもっと欲しい！ (2020年1月7日 18時) (
レス) id: 1b1d47c664 (このIDを非表示/違反報告)
優華 - めちゃくちゃ面白いです！ (2019年10月23日 17時) (レス) id: ee8e84d10b (このIDを非表示/違反報告)
Rmd(プロフ) - あああああ飛んできたらこっちも尊かったです。目から涙出てきました…(;_;)とても面白かったです！！また他の作品も読ませていただきます！ (2019年8月26日 17時) (レス) id: 4a935f5230 (このIDを非表示/違反報告)
夜空(主にDS)(プロフ) - って一人で混乱してたわw過去最高(多分)の長文コメでごめんね！無理だけはしないでね！遅れたけど、本当にお疲れ様。頑張ったね！ (2019年8月24日 13時) (レス) id: 1e511e327c (このIDを非表示/違反報告)
夜空(主にDS)(プロフ) - つつ、小説を読み続けると夢主が大好きって言ってないって言ったときにそらるさんが起きてくれていい意味で胸がギュッとなってめっちゃめっちゃ良かった(o^^o)番外編も嫉妬してると思うと可愛くて、久々にニヤニヤした気がするw嫉妬�△蓮△笋个�w二人ともいるんじゃ？ (2019年8月24日 13時) (レス) id: 1e511e327c (このIDを非表示/違反報告)
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