40話 ページ40
あの後2人共黙ったままキヨ兄ちゃんの車に乗り込み、車を走らせた。
向かってる先はどっちかの家。
ごうごうと焚いた暖房が暖かい。
泣き疲れて眠気の船を漕ぎつつ、見慣れた家の帰路を走ってく。
車はキヨ兄ちゃんの家につくと、エンジンが止まった。
運転席のキヨ兄ちゃんは、私を一瞥すると重そうな口を開けた。
｢ごめんな。寒かったろ｣
首をブンブン振って否定すると、キヨ兄ちゃんはわらった。
｢なんで泣いてたんだよ。怖かった？｣
｢…キヨ兄ちゃんが守ってくれたから。ごめ、ごめんなさいキヨ兄ちゃんのほうが寒いよね｣
遥さんより、私を。
私よりも濡れただろう遥さんより私を送ってくれてる事に。
子供みたいな理由でも私にとってはそれが凄く嬉しいんだ。
車に乗った時、キヨ兄ちゃんからかけてもらった毛布をぐいぐいとキヨ兄ちゃんに押し付けるとガバッと毛布ごと抱きしめられる。
｢ばーか。そんな事でいちいち泣くなよ。
これからも守ってやっから｣
あぁ…だめだ、ごめんなさい遥さん。
私、諦められない。諦められないよ。
｢好き｣
しん、と水を打った様に静まる車内。
私の鼓動までキヨ兄ちゃんに聞こえそう。
ついに、言っちゃった。
ドキドキ、とキヨ兄ちゃんの返事を待つ。
｢俺もお前が好きだよ。妹みたいに思ってる｣
つきり。とした痛みが心臓に広がる。
徐々に凍りつくみたいに心臓が冷えていく。
妹。みたいに思ってる？
やっぱり妹としかみてくれないんだ。
妹としか見れないんだ。
｢…キヨ兄ちゃん。寒いからお家入れて貰えないかな？今家帰ったら1人だし、寂しいの…｣
｢そ、うかわりぃ。直ぐ風呂暖めてやるからな｣
と慌てて車を出ていくキヨ兄ちゃん。
キヨ兄ちゃんの後を追いかけて玄関のドアが開くのをまつ。
そして玄関の鍵が解除され、キヨ兄ちゃんがドアを開け中へとはいる。
キヨ兄ちゃん。妹としかみれないんだよね。
でもね私。
キヨ兄ちゃんが開けたドアを閉め、かけ慣れた鍵をかける。
高校生だよ。
キスだって結婚だってできるし。
キヨ兄ちゃんの背中を追いかけ、勢いよく肩を引く。
と、びっくりした顔のキヨ兄ちゃんと目が合う。
そのままキヨ兄ちゃんへと顔を近づける。
子供だって作れるんだよ。
ぷにっと合わさる暖かくて柔らかいもの。
キヨ兄ちゃんを壁へ推しやり、耳元へ囁く。
｢しようよキヨ兄ちゃん。えっち｣
もう女なんだよ私。
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*:まりな:*(プロフ) - 夢吏ちゃんさん» レスありがとうございます！通知溜まりすぎで…完結した時すぐに見れなくてごめんなさい！お気に入り作者にも登録しました！…結構前だけど…。これからも頑張ってください！1ファンとして応援してます！ (2020年5月26日 16時) (
レス) id: ce0c123210 (このIDを非表示/違反報告)
夢吏ちゃん(プロフ) - *:まりな:*さん» ありがとうございます…！！えへへそんなに褒めて貰えて嬉しいです！ありがとうございます！次作でもお会いできたら嬉しいです！ (2020年5月25日 17時) (レス) id: 83cad32c9a (このIDを非表示/違反報告)
*:まりな:*(プロフ) - わああああ！完結おめでとうございます！はぁもう…泣きました。（これほんと）タメ口やばいと思いましたか？私は思いました。知らねぇよ。いやー、なんかもう…満足です！作者さん！愛してる！ぶちゅ (2020年5月21日 23時) (レス) id: ce0c123210 (このIDを非表示/違反報告)
夢吏ちゃん(プロフ) - 甘党。さん» 初めましてコメントありがとうございます！ずっと見て頂いてたんですね…！甘党。様が見て下さっていた1hitが凄く励まされました…！次の小説も近々公開しますので…！自作でも応援のほどよろしくお願い致します！ (2020年1月12日 4時) (レス) id: 83cad32c9a (このIDを非表示/違反報告)
甘党。(プロフ) - 完結おめでとうございます…！今までコメントはしなかったんですけどずっと見てました！次の小説も全裸待機させていただきますね^ ^ (2020年1月5日 10時) (レス) id: 93d0b6d41e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夢吏ちゃん | 作成日時：2019年5月6日 10時
