14話 ページ14
｢うーーーん……｣
ない、ないなぁ…。
｢うーーーーーーん……｣
ウロウロと行ったり来たりしている私は完全に不審者だろう。
しかし、周りの目も気にならないぐらい今の私は真剣なのだ。
真剣になりすぎて周りが見えないのも私の悪い癖だと思う。
なぜなら。
｢っあ…すみません！｣
｢おっと、いえいえ｣
こうして人にぶつかってしまったから。
私はぶつかった人の落とした本を拾い上げると、軽く埃を払って渡した。
｢何かお探し物ですか？さっきから悩まれてる様に見えましたが｣
｢え。えっと…｣
｢あ、なんか店員みたいに聞こえますよね。違うんです。僕隣の楽器屋の店員で。ここの本屋にはよく来るんですよ｣
ぶつかった男の人は艶のある黒髪が特徴的で、目を細めて笑った。その笑顔は親しげに見える。
｢そうなんですね！実はその…恋愛に悩んでて｣
｢恋愛に…という事はファッション系ですか？｣
｢うーん…というよりも、アドバイス系が欲しくて…｣
男の人はアドバイス…と悩んでいる。
｢ちなみに好きな人はどんな人ですか？｣
｢え？えっと、お兄ちゃんタイプというか。優しくて、かっこよくて…でも私は妹扱いで、それが嬉しいけど女の子としてみてほしくて…｣
｢なるほど…分かりました｣
男の人はくすくすと笑うと人差し指を立てた。
｢じゃあ僕からのアドバイス。まずは相手の気を惹かせてみましょう｣
｢気を、惹かせる？｣
｢お兄ちゃんでも、実のお兄さんではないんですよね？だとしたら焼きもちを妬かせるとか。暫く連絡を取らないとか、わざと冷たくしてみるとか。色々方法はありますよ｣
な、なるほど…！！
必死に忘れないようにブツブツと復唱すると、お兄さんは口に手を当て笑った。
｢僕は大体、隣の楽器屋にいるので進展あったらぜひお話聞かせてくださいね｣
｢あ、ありがとうございます…！あの、私…Aといいます！｣
｢Aさん、か。Aちゃんって呼んでもいいかな？俺は…フジでいいよ｣
フジさん、か！！
フジさんにありがとうございます頑張ります！宣言すると、フジさんはニコニコと笑って応援してくれた。
相手の気を惹かせる…か。
まずは、連絡を取らない作戦で行こう！
流石のお兄ちゃんでも少しは気にしてくれる、よね。
その日から、私はキヨ兄ちゃんにLINEをするのを辞めたんだけど…。
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*:まりな:*(プロフ) - 夢吏ちゃんさん» レスありがとうございます！通知溜まりすぎで…完結した時すぐに見れなくてごめんなさい！お気に入り作者にも登録しました！…結構前だけど…。これからも頑張ってください！1ファンとして応援してます！ (2020年5月26日 16時) (
レス) id: ce0c123210 (このIDを非表示/違反報告)
夢吏ちゃん(プロフ) - *:まりな:*さん» ありがとうございます…！！えへへそんなに褒めて貰えて嬉しいです！ありがとうございます！次作でもお会いできたら嬉しいです！ (2020年5月25日 17時) (レス) id: 83cad32c9a (このIDを非表示/違反報告)
*:まりな:*(プロフ) - わああああ！完結おめでとうございます！はぁもう…泣きました。（これほんと）タメ口やばいと思いましたか？私は思いました。知らねぇよ。いやー、なんかもう…満足です！作者さん！愛してる！ぶちゅ (2020年5月21日 23時) (レス) id: ce0c123210 (このIDを非表示/違反報告)
夢吏ちゃん(プロフ) - 甘党。さん» 初めましてコメントありがとうございます！ずっと見て頂いてたんですね…！甘党。様が見て下さっていた1hitが凄く励まされました…！次の小説も近々公開しますので…！自作でも応援のほどよろしくお願い致します！ (2020年1月12日 4時) (レス) id: 83cad32c9a (このIDを非表示/違反報告)
甘党。(プロフ) - 完結おめでとうございます…！今までコメントはしなかったんですけどずっと見てました！次の小説も全裸待機させていただきますね^ ^ (2020年1月5日 10時) (レス) id: 93d0b6d41e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夢吏ちゃん | 作成日時：2019年5月6日 10時
