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第21人目 演斬 ページ25

「試合再開!」
「……」
やばっ、ボール取られた!
「ロックオン」
ルシの視線の先にいたのは、私だった。
ブシャッ!
……えっ?

ハーフパンツから伸びた赤い足。
血だ。
膝下から伝わる痛みより、斬られたという事実が、本当に信じられない。
フィールドに立ちたい故に斬りつけ続けた私が、フィールドで斬られるなんて。
皮肉が効き過ぎる。
「金山!」
「……何?これ」


「その足!何があったんだ!」
「分かんない……けど、あの選手からボールを取ろうとした時に……そしたら」
そう言って指を指す。ルシ・ファノスを。
あっ、スパイクだ。あいつのスパイクにはナイフが仕込まれているんだ。
「あいつら……ここまでやるとはな」
そう言う鬼道さんの目は、正確にはゴーグルの奥は怒り、怨みが満ちてて。
本気で止められないかもな、この人。
自分を見失いそうな、その目。
「ベンチに下がった方がいいよ!」
「……いや、下がりません」
「……でもAちゃん」
「下がりたくは、ありません。
わがまま言ってごめんなさい」
「……分かった。無理はしないでね」
「すみません、つくしさん」
包帯を巻いて貰__
あっ、見られた。

アザだらけの足を。


それでもつくしさんは静かに巻いてくれた。
こうゆう気遣いが本当に身にしみた。
本当ありがとうございます

「俺にいい案がある。やってみないか?」
氷浦が手当てを終えた私に提案した。
……あー、そういうこと。
「うん、なるほど。やってみよう」
そう言う私の声帯は怒りにも震えていた。
なんで怒ってるんだ?
まさか踏みにじられたから?




「氷浦君、こっち!」
「ルシ、斬る」
ルシが獲物めがけて走る。
「今だ!」
ブズッ
撃たれたボールがスパイクの刃に刺さって…取れなくなる。
ルシは予測されなかったエラーに対応出来ず焦っている。感情なんて無さそうなのに。
「氷の矢!」
ボールは刃に刺さったまま瞬間冷凍。
後は思いっきりそれを蹴るだけ。
……とどめを刺してやる。
「はあっ!」
バキン!

氷は見事フィールド外に蹴りつけられる。
ゴロゴロ転がって止まる。
ボールはがっちりと刃を掴んで。
「おっと!?どういうことだ!
ボールに刃物が刺さっているぞ!?」




深刻なエラーが発生。
プログラム崩壊。
「ルシのアイデンティティ……喪失」
へにゃりと、捨てられた人形のように倒れこんだ。
廃品となったそれは選手交代で回収される。

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米野花子(プロフ) - モモさん» ありがとうございます! (2019年3月2日 22時) (レス) id: 38d207c2d1 (このIDを非表示/違反報告)
モモ(プロフ) - 定期試験頑張って下さい!いつも楽しく見ています(・∀・) (2019年3月2日 14時) (レス) id: 9f311d580c (このIDを非表示/違反報告)
米野花子(プロフ) - モモさん» 足に秘められし闇が笑 (2019年1月5日 21時) (レス) id: 9d38e75142 (このIDを非表示/違反報告)
モモ(プロフ) - おうふ…主ちゃんの足が心配な今日この頃(´・ω・`) (2019年1月5日 17時) (レス) id: 9f311d580c (このIDを非表示/違反報告)
米の花子(プロフ) - リンさん» ありがとうございます涙リクエストは受付中です! (2018年11月18日 20時) (レス) id: 3e519be2b6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:米野花子 | 作成日時:2018年10月20日 0時

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