【オリオンの刻印】日本の女神？元通り魔ですが (ページ17)

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第13人目女の利用価値ページ17

中々強かな女だな。
人聞きは悪いが盗み聞きの最中そんなことを思ってしまった。
あいつなら俺に同調してくれるだろう。

「金山、ちょっといいか？」
「えっ、はい、何ですか鬼道さん？」
「一星の件なんだが」
金山の目つきが鋭くなる。
「同盟を組まないか？」
「…？同盟ですか」
「俺自身一星は黒だと思っている。円堂にあんなことする奴が何もないはずが無い…同じことを思っているお前なら協力してくれるだろう」
フフッ
話題には合わない朗らかな微笑みを浮かべる。
「いいですね、乗りましょう」
俺がおののいてしまうほど優しい表情だった。
「そうだ。この後練習に付き合ってくれません？」

ばふっっ
本作2回目のルパンダイブをしたところで考える。
一星充について
ここ数日は一星になるべく多くコミュニケーションを取ってみた。お陰でかなり懐かれたけど。最近は何かにつけて円堂さんにちょくちょく付け入ろうとしている。
あっ、軟膏
バッグからチューブを取り出して身体中のカットバンやら絆創膏やらを剥がしまくる。
大量の傷。
全部悪魔(母親の男)に付けられた。
おもむろに軟膏を傷に塗る。
この軟膏は虐待(アレ)が始まってから傷の治りが早くなるとお母さんから貰い続けた物だ。もう半分切ったな…
…！
不意にかなり前のことを思い出してしまった。
「お母さん…ごめん」
ぱちん！
さっさと塗り終わって寝よ

コンコン
誰よこんな時間に
「こんばんは。遅くにすみません。ちょっと話したいことがあって…」
「…一星君！いいよ、中入って。何か飲む？」

「んで、話って？」
なるべく優しく、悟られないように訊く。
「…」
すっと一星は立ち上がる。
ぎゅっ
…えっ？何この状況手首掴まれてんだけど⁉
一星顔近いんだけど⁉
「…あの、
金山さん、A先輩のことが大好きなんです！！
僕と付き合ってください！」
…あっ
恋人の利用。
こいつ、私を制御不能にするつもりなんだ。
ふーん、馬鹿だね
こっちもその手は使えるんだよ？
その面の皮、ひっぺ剥がしてやる。

「うん。いいよ」

恋人の名を騙った2人は笑う。
水面下で腹を探り合いながら。
互いの首を取るため。