時間も雰囲気も行ったり来たりで忙しいことですね ページ3
「しっかし、便利なモンだなァ、本当に未来が見えちまうんだからよ…」
「ほんとでさァ、ちょっとそれで土方さんの死期覗いてみてくだせェ、肺癌か高血圧か」
「お前何不吉なこと言っちゃってくれてんの!?」
「あんだけニコチンとマヨネーズ摂取してりゃ当然の最期でさァ、あぁ、今バズーカぶっ放すって選択肢も」
「やめろ!!また壁直さにゃならんくなる!!」
二人とも、怪我をして帰ってきたのに、随分と元気そうだ。
…そもそも、この怪我、悪い人にやられたんじゃなくて、もしかして沖田くんが土方さんに仕掛けたんじゃ…?なんて、そんなわけ
「今日だけで何回俺にバズーカ打つつもりだオメーはよ!!」
「とりあえず 今日も元気に 死ね土方」
「詠んでんじゃねぇよ…」
そんなわけあったぐらいで、もう私は驚きません。驚きませんとも。
真選組の方々には、すぐに受け入れて貰った訳ではなかった。
無条件で用心棒を頼むなんて、勿論すぐに納得して貰える筈がなかったし、未来視の力を疑う人さえいた。
だからあの日、私は条件を提案させて頂いた。
私の身柄の安全を保証して貰う代わりに、私の未来視の能力で御用改めの仕事をサポートをするということ。
私も何かしていないと落ち着かないし、真選組に貢献することは、結果としてこの国に貢献することだから、私としては願ったり叶ったりというわけだ。
真選組作戦司令補佐兼医療補佐。
漢字ばかりの仮の肩書きが、今の私の真選組での居場所になっている。
「…おい、A、何笑ってんだよ」
「笑っちまうほどひでぇ最期だったんですかぃ?」
「え、まだその話続いてんの!?本当に見たの!?」
慌てる土方さんが可笑しくて、ますます顔が綻んでしまう。
「いえ…、ごめんなさ…ふふっ、二人のやり取りが可笑しくて、つい…、…ぷふっ、川柳…っ…」
「総悟、お前の川柳めちゃくちゃウケてんぞ」
「……」
ウケを狙って言ったのではないのか、すごく微妙な表情…あっ、違う、これ沖田くん何にも考えてないだけだ…。
真選組に来て日は浅いけど、一番初めに出会ったゴ…近藤さんと、よく治療をしに来る土方さん、そして連れられて来る沖田くんとは話せるようになった。
ここにいれば、私は自由でいられる。
…大阪でいた時とは、もう違うんだ。
仮の平和でも、束の間の自由でも、いい。
死ぬわけにはいかない。
生きて、未来の為に、やるべき事をやらなくちゃいけない。
__兄上を、見つけるんだ。
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作者名:むらせ | 作成日時:2018年8月19日 23時