帰る女 ページ34
「Aが私の知らない人を紹介してくれること、初めてだった」
「へ？」
「いつも何人かでご飯食べる時も、絶対共通の友人を連れてくるの」
「あ、、なるほど...」
「だからAにとっても江口くんは他の人とは違うんじゃないかなって」
「もしそうなら、すごく「嬉しいよね？だから伝えてみたんだよ〜、うふふ」
「、、、いじわるですよね？！ねえ？！」
「、、、もう少しいじわるいっていい？」
「え、、こわいこわい、なんですか？」
帰る女
じゃあ！！と言って長澤さんが玄関を閉めた時、俺はどんな顔をしていただろうか。最後に目があった長澤さんが笑っていたから、彼女が面白くなるような悲惨な顔をしていたに違いない。閉じたドアの鍵を閉めてため息をついた。帰りやがった、あの人。
不思議な人である。まだ何も知らないから不思議なのだろうか。それとも、どこまでいったって彼女は掴みどころがないままなのだろうか。
アゲテ、オトシテ、アゲテ、オトシテ、カエル。シャボン玉のようだなと思ったところで、自分に物思いに耽る余裕がないことに気づく。
長澤さんは手際がよくて、部屋はパーティーが始まる前の静かで綺麗な様子にもどっていた。緊張して気づかなかったけど、キッチンリビングの壁に等間隔に並んでいる3つのニッチには、端に小さな空の花瓶があって、もう片方の端には観葉植物が置いてある。そして真ん中には、嵐の6人の写真が飾ってあった。海辺でワイングラスを持っている6人は、夕暮れ時でもとても綺麗に写っていて、このままポスターにしてもいいんじゃないかってくらい作品になっていた。その中でも、黒色のワンピースにハイビスカスが1つついたシンプルなネックレスをつけている卯月さんは、いつもより開放的な服装だからかとてもセクシーで綺麗だった。
去年、嵐は15周年を迎えて、ハワイでコンサートを開催した。彼らは15年前、ハワイでデビューをしている。日本のマスコミにインタビューされた現地の人が言った。
「彼らは生まれた地にBIGになって戻ってくる！これは里帰りだ！」
現地の人が笑顔になるのも不思議ではない。というのも、このコンサートがハワイに与える経済効果は20億円だった。
帰る場所に帰った彼らが故郷でみた景色はどんなに綺麗だったんだろう。それまでの道のりの辛さを忘れられるのだろうか。これから先の道を歩けるパワーを貰えるのだろうか。
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M(プロフ) - まぐろさん» まぐろさんありがとうございます。コメント気づかず申し訳ございません。いつかまた読んでいただけますように願っております。 (8月21日 22時) (
レス) id: 3a4ea75011 (このIDを非表示/違反報告)
M(プロフ) - 琥珀さん» 琥珀さんありがとうございます。江口さん夢でもニッチな作品ですが楽しんで頂けて嬉しいです。引き続きよろしくお願いします。 (8月21日 22時) (レス) id: 3a4ea75011 (このIDを非表示/違反報告)
琥珀(プロフ) - 初めまして！主さんの作品が、私の妄想してた話と似ていて好きになりました！！これからも更新楽しみにしてます！ (8月21日 12時) (レス) @page1 id: 70b8e338d9 (このIDを非表示/違反報告)
M(プロフ) - もう見てる人もいないかもしれませんが少しずつ更新します (8月20日 17時) (レス) id: 3a4ea75011 (このIDを非表示/違反報告)
まぐろ(プロフ) - 何度も読み返してます！これからも楽しみにしています！ (2020年12月18日 12時) (レス) id: 413233b421 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：M | 作成日時：2020年8月3日 0時
