最低な女 ページ20
今からいうことは、
あくまで私、卯月Aの個人的な考えだ。
だから、賛同も求めていないし、もし悲しい気持ちにさせたなら、申し訳ないと思っている。
最低な女の独白
批判と誹謗中傷は似ても似つかないものだと思う。
初めてそう思ったのは、、、あの日だ。
「これ、なんですか？」
「あぁ、事務所宛てのダイレクトメールよ。見なくていいから、あっちでまってて」
スタッフさんが嘘をついていたことは小学生の私でもわかった。衣装会社や会場設備会社からの宣伝用のダイレクトメールが、こんなに可愛らしいレターセットに入っているわけがない。第一、ダンボール1箱分もダイレクトメール来るわけがない。つまりは、そういうことだろう。
箱の中から1つ、黙って持ち帰った。
あの時、どうして数ある手紙の中からあの手紙を選んだのかは覚えていない。多分何も考えてなかった。
嵐の卯月Aさんへ、から始まる文章に、私宛ての、でも私が見てはいけない手紙だと認識した。読み終えた後、暫く放心してしまった。
「お母さん！私が出てた歌番組全部録画してある？！」
「あるけど、、、どうしたの？」
「確かめたいことがある！！！！」
出演した最新の番組を流す。
前奏が流れ、パフォーマンスが始まる。
あぁ、
卯月Aさんへ
パフォーマンスが始まって、○分○秒後のあなたのステップが皆とずれています。
本当だ。
それから△分△秒後、私は表情が他のメンバーと違うことに違和感がありました。
本当だ。
×分×秒後、ハモリが雑に思えます。
本当だ。
あなたが嫌いだからじゃありません。でもすごく悲しかったから手紙を書きました。私は、二宮くんをずっと応援していました。二宮くんがデビューすると聞いた時は本当に嬉しかった。でもデビューして初めてパフォーマンスを見た時すごく悔しかった。嵐は6人なのに、あなたがステップをすぐに間違えるから、あなたが音程をいつも間違えるから、あなたが雰囲気に合った表情をしないから。もっと周りに合わせてほしい。真剣に嵐と向き合ってほしい。じゃないと嫌いになりそうです。
当時の私は気づいた。
可哀想なのは私じゃなくて、ファンで、最低なのは私だ、と。
これは誹謗中傷じゃなくて、批判だ。
ファンのSOSだ。実力のない者に愛する人たちを壊されそうで、怯え、叫んでいる。
あの日気づいた。
批判は愛だと。愛がある故の、刃だ。
以降、私は一身に傷を刻むことを誓った。
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M(プロフ) - まぐろさん» まぐろさんありがとうございます。コメント気づかず申し訳ございません。いつかまた読んでいただけますように願っております。 (8月21日 22時) (
レス) id: 3a4ea75011 (このIDを非表示/違反報告)
M(プロフ) - 琥珀さん» 琥珀さんありがとうございます。江口さん夢でもニッチな作品ですが楽しんで頂けて嬉しいです。引き続きよろしくお願いします。 (8月21日 22時) (レス) id: 3a4ea75011 (このIDを非表示/違反報告)
琥珀(プロフ) - 初めまして！主さんの作品が、私の妄想してた話と似ていて好きになりました！！これからも更新楽しみにしてます！ (8月21日 12時) (レス) @page1 id: 70b8e338d9 (このIDを非表示/違反報告)
M(プロフ) - もう見てる人もいないかもしれませんが少しずつ更新します (8月20日 17時) (レス) id: 3a4ea75011 (このIDを非表示/違反報告)
まぐろ(プロフ) - 何度も読み返してます！これからも楽しみにしています！ (2020年12月18日 12時) (レス) id: 413233b421 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：M | 作成日時：2020年8月3日 0時
