第24話 嘘 ページ28
私が弔くんへの怒りを溜めている間にも、どんどん人が押し寄せてくる。マジで助けてくれる心操くん感謝。
「あーー、ごめん、顔近いよね」
そう言いながら心操くんはできる範囲で離れようとしてくれている。
そんな気遣いもできる。なんでいい人なんだ。弔くんも見習って欲しい切実に。
「大丈夫、慣れてるから私」
「なれ、てるんだ……そっか…そうだよね……」
何故か急に凹んでるけどどうしたんだろ。そろそろ人混みが辛くなってきたのかもしれない。
「首なんかやったの？絆創膏だらけだけど」
しばらく気まずくて(なんで？)2人で黙ってたら、なんとそんな事を聞かれました。やめて欲しい。弔くんが調子乗った結果の惨劇に触れないで欲しい。
いやまさか心操くんも絆創膏の下、全部噛み跡とキスマークだとは思わんのだろうな。私もきっと思わない。
「んぇーと、あの、動物にやられて……」
「へぇ、何か飼ってるの？」
「え、あーーーーえっと、猫とかぁ？」
苦しい、苦しいよぉいいわけが！！！猫なんか飼ってねぇしよぉ！首噛みまくる猫とかなんなんだよ。
まあでも弔くんが猫みたいなとこあるから。嘘でもないかもしれない？いやちゃんと嘘だわ。
「猫懐いてないの？」
「飼ったばっかりだから……」
「へぇ、ペットショップ？野良？」
グイグイ来るね！！！さては心操くん猫好きか！！！間違えた犬にしとけばよかったわ！！！
「んーと、野良です……最近拾って……」
「え、大変じゃん。獣医さん連れてくの結構お金かかったでしょ」
「お金困ってないから大丈夫デシタネ……」
ここまで嘘塗りたくると逆に抵抗なくなってきたわ。いくらでも嘘つける。
「写真とかないの？」
「あーー今ない……あとで見せましょうか？」
「え、いいの。LINE教えてよ」
「うん」
やっぱ嘘つきすぎるとろくな事ないね！！！！ダメだ！！！！！やらかした！！私どっかで野良猫見つけなきゃなんだけど！！！！
もういっそこの人混みがもっと酷くなって心操くん流されてしまえばこの話しは無くなる…お願い弔くん頑張って！！！！
思い虚しく、飯田くんの非常口ポーズにより自体は終息。私は無事心操くんとLINEを交換しました。
次回！武陵A野良猫捜索の旅！お楽しみに！
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 300人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：きくらげ | 作成日時：2021年7月25日 1時
