イケメン力カンスト娘【ヒロアカ】 (ページ34)

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死柄｢あーームカつく。わかってんだよ、Aが弱ってることは。なのに意地でも表に出す気は無い。他者に悟らせる気もない。それがムカつく｣

パラパラと崩れていく腕。

死柄木が５本の指で掴んだからだ。

貴方｢さっきおにーさん......死柄木が言っていたとおり、俺には今触覚がない。それに加えて、傷もすぐ治る。俺にそういう類の物が効かないことは分かりきっていることだろう？｣

その言葉通り、瞬く間に治っていく腕。

傷跡など残らない、元の真っ白な肌に戻った。

死柄｢Aがこんなに厄介だなんてなぁ。早くAをぐちゃぐちゃにしたい、それだけなのに｣

貴方｢俺は壊れないさ、治るからな。髪も、爪も、目も、内臓も。無理なら奪って俺のものにすればいい。.........そんな、他人で固められた俺でも、まだぐちゃぐちゃにしたいと？｣

蜜蝋は死柄木を見据える。

他人で固められた俺、と言う言葉に嘘はない。

現に蜜蝋は他人から奪った精神力、治癒力の飴玉のおかげで自らの意志を保っていると言ってもおかしくは無いのだ。

死柄｢あはは、壊れないなら好都合。焦るのはやめてゆっくりAを奪うことにするよ｣

死柄木はそう言い、カプッと蜜蝋の鼻を噛む。

蜜蝋は驚愕したが、スっと離れる死柄木を見て混乱が勝った。

貴方｢血とか出てなくても治っちゃうけど｣

死柄｢いいんだよ。まぁ、今日は帰る。こんな状態のAを連れ帰ったって面白くも楽しくもないしな。俺はAが自分から敵連合に入るまで気長に待つとしよう｣

貴方｢あ、じゃあそこのゴミ箱に入ってるフルーツあげるよ。持って帰れ｣

死柄｢俺の目が正しければ、あのゴミ箱に入ってる果物は腐ってるんだけど？本当、煽るよね｣

黒い霧が病室に現れる。

その中に入りながら手を振る死柄木に死んだ目で振り返す蜜蝋。

死柄木がいなくなってからは、またシンとした病室になっていた。

貴方｢............とりあえず、部屋変えてもらお...｣