第十話 ページ10
いつもは一緒にお弁当を食べるユリが、また先生に呼び出されてしまって、ユリが帰って来る少しの間一人でお弁当を食べることになった。
ユリ、何か先生を怒らせるようなことしたのかな。
「ねぇ、ちょっと良い?」
一人で箸を進めている最中、知らない女の子に話し掛けられた。初めて見る子だから、違うクラスの子だと思う。
一体私に何の用だろう。
少し機嫌の悪い女の子に大人しく着いて行くと、到着したのは旧校舎の女子トイレだった。
……何となく察したかもしれない。
トイレに入ったと同時に、一人だけだった女の子の横に4人の女の子が並んだ。
私が来るまでここでスタンバッてたみたい。
女の子達が私のことを睨んだ。
「昨日の朝の二人乗りとか何?ジョンハンくんの彼女気取り?」
「本当にいい加減にして欲しいの。ただの幼馴染ならわざわざ一緒に登校しないでよ」
「Aちゃんのせいでジョンハンくんと話せないじゃん」
……久し振りだな。この感じ。
いつからかすっかり止んでくれたと思ってたけど、やっぱりこんな風に思ってしまう女の子もまだ居たんだ。
『……嫌な思いさせてごめんね。でも、私が居てもジョンハンに話し掛ければ良いと思うよ。それに毎朝一緒に居るのはジョンハンがそう言ってくれたから……』
「ジョンハンくんのせいにしないで!!」
一人の女の子が泣きながら叫んだ。
違う。ジョンハンのせいにした訳じゃ無い。本当の事を言っただけなのに。
この子達はただジョンハンの事が大好きで私にこんな事をしてくるんだと思うと複雑な気持ちになる。
「本当に目障り!あんたさえ居なけりゃ……!!」
「何してるの?」
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作者名:ソルト | 作成日時:2020年1月25日 21時