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第十一話 ページ11

女の子達による罵詈雑言は、一人の男の子の声によってかき消された。

私も、私の前に居る女の子達も咄嗟に声の方を向く。

そこに居たのはいつもジョンハンと一緒に居る男の子。


「ジスくん…………」


ジスくんを見た瞬間、女の子達の顔が次第に青冷めていった。


JS「どうしたの?こんな所に沢山集まって」


ジスくんはそう言いながら、さりげなく私と女の子達の間に割って入った。

女の子達はジスくんを見て、バツが悪そうにそそくさとトイレから出て行ってしまった。

女の子達が出て行った後、ジスくんは私の方を見て「大丈夫?」と聞いてきてくれた。


『うん』


JS「Aちゃんだよね?ハニの幼馴染の。僕のこと分かる?」


『分かるよ、ジスくんでしょ。何で旧校舎に居るの?しかも女子トイレだよ』


JS「ん?あー……」


私が聞くとジスくんは気まずそうに目を逸らした。


JS「実はこっそり着いてきてたんだ。あの子とAちゃんの組み合わせなんて珍しいなと思ったし、向かってたのが旧校舎だったから」


そこまで言うとジスくんは悪戯っぽく笑って、「ごめんね、ストーカーみたいなことして」と言った。

私はブンブンと首を横に振る。


JS「……ハニに来て欲しかったかな?」


申し訳なさそうに言うジスくん。


『ううん。ジスくんで良かった。ジョンハンにはこの事言わないでね』


JS「え、何で?言った方が良いんじゃない?」


『この事でジョンハンが変な責任感じちゃったら嫌なの』


あのジョンハンに限ってそんな事は無いかもしれないけど。

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作者名:ソルト | 作成日時:2020年1月25日 21時

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