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慧side




相「 彼の事、邪魔しちゃったな 」



後で謝んなきゃ。なんて言う彼は
相変わらず元気そうで。

入れ替わりに帰った大ちゃんを気にする所
ほんと変わらずお人好しみたい。




慧「 それで、何かあったの? 」


相「 あぁ、今日は渡したい物があって… 」




そう言って緑色のリュックから出したのは
丁寧に包まれた白い布。


はいこれ。と渡され
その包みをゆっくりほどいていけば

銀色に輝やくリングが一つ
姿を現した。




慧「 これは…? 」


相「 実はそれ……慧の両親の遺品、なの 」




あの事件があってから数年間。

両親の遺品はほぼ全て警察に押収され
『 形見 』なんて言える物は無かったのに


何で今になって突然
それも相葉ちゃんが…?


結婚指輪にしては小さく
シンプルすぎるそのリングは

眩い反射の奥底で
どこか暖かみのある光を発してる。




相「 二人が亡くなる寸前に
担当だった隊員に渡してたみたいで… 」




あの日、あの瞬間。


全身真っ赤に染めてまで
俺に逃げろと叫んでたお父さん。

強く、痛いほどきつく抱きしめて
必死に俺を守ってくれてたお母さん。


笑い合って、喧嘩もしたりして
でも結局ご飯は全員で仲良く食べて。

確かに存在する
あの日までの幸せな日々、

いつも側に居てくれたあの温もりが
不思議と風のように流れ込んできて。


手元で輝くその光さえ、気付けば
ぼやけた視界で見えなくなっていた。




慧「 っ…泣かせないでよ、っ… 」


相「 はいはい、ごめんごめん。
ほら、これでちゃんと泣ける? 」




細くて薄い胸板だけど
背中を擦ってくれるその手は、凄く優しくて。

昔に感じたことのある温かさに
どこか落ち着きを感じながらも

鼓動の響く彼の胸にすっぽりと包まれながら
俺は声を圧し殺して泣いた。



,



相「 じゃあ、また来るよ 」




案外すんなりと
あの爽やかな笑顔でそう言った彼は

ある2つのメッセージを残して
足早々、去っていった。




慧「 こんなの……聞いてないし 」




“リングの内側を見てごらん”


そんな1つ目のメッセージの真相は
その言葉通り、しっかりと刻まれた

『 Etarnal happiness 』の文字。


Etarnalは『 永遠の 』
Happinessは『 幸せ 』

家族三人の証にと
二人の願いが込められていた。



そしてもう1つ、二人が意識を失う直前に
揃って俺に伝えて欲しいと言ったのだという。





『 あなたを永遠に愛してる 』と。





それが最期の、言葉だった。


,

○→←○愛情の贈り物



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新道踏切(プロフ) - 最近見つけて読んだら止まらなくなりました!更新楽しみにしてます(●´▽`●) (2021年1月3日 16時) (レス) id: 7158c48a17 (このIDを非表示/違反報告)
りみ(プロフ) - にゃごさん» コメントありがとうございます!ほんとに嬉しいです!!これからも読んでいただけるよう頑張りますね! (2020年3月27日 20時) (レス) id: 5d5b508ed3 (このIDを非表示/違反報告)
りみ(プロフ) - のぶちゃんさん» お待たせさせてしまいすみませんでした。コメントありがとうございます!!今後もどうかよろしくお願いします!! (2020年3月27日 15時) (レス) id: 5d5b508ed3 (このIDを非表示/違反報告)
りみ(プロフ) - みおさん» お待たせしてしまい申し訳ないです。コメントありがとうございます!!今後もよろしくお願いします!! (2020年3月27日 15時) (レス) id: 5d5b508ed3 (このIDを非表示/違反報告)
りみ(プロフ) - いのひかゆうやさん» 遅くなりましてすみません。コメントありがとうございます!!今後もよろしくお願いします!! (2020年3月27日 15時) (レス) id: 5d5b508ed3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:りみ | 作成日時:2017年10月15日 13時

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