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○愛情の贈り物 ページ9

有岡side




大「 今日は元気なようで? 」


慧「 へへっ、おかげさまで 」



学校帰りのいつもの病室へ
いつものように顔を出してみれば

少し声は掠れてるものの
ふわっとした笑顔は健在な様子。


今日は調子が良いらしく
昼御飯おかわりしたの。なんて言ってる慧だけど

昨日までは酸素付けて寝込んでた人な訳で
最近は体調が安定していなかった。


その証拠に
胸には心電図が繋がれたまま。

突然の高熱に全身の倦怠感。
朦朧とする意識の数日を過ごす様になったのも

全てはあの日、あの朝。
俺の目の前で崩れ落ちた彼が運ばれた日から。


前日の元気が嘘かのように
じわりじわりと病魔が迫ってきてた。




慧「 今年ももう……終わっちゃうね 」




その言葉はまるで
来年が来るのを恐れるかのように

悲しげに弱々しく
尊い顔で放たれて。


遠くを見つめる瞳の先には
結露で曇った窓ガラス。

やんわりと差し込む夕焼けが
水滴に反射して彼の頬を照らす。


微笑む訳でもなく
かといって泣く訳でもなく。

ただただ‘無’に近い表情で
何処かを見据えて逸らさない。




大「 ……慧、? 」




確かに彼は目の前に居るのに
ふわふわとその存在は逃げていって

我の世界に入り込んだのか
俺の問いかけには反応しなかった。




慧「 ………… 」


大「 ぇ……… 」




夕日の光に照らされた彼の姿は
この病室の白さと調和して

眩しいくらいに
儚い空間に包まれる。



異次元なその光景に
思わず息が詰まるように

もう一度呼ぼうとした声は
喉の所でとどまった。



時が止まり身動き1つせず
お互いの呼吸だけが響くこの部屋で。

沈黙と化した空気がよりいっそう
二人の距離を惑わせる。



ゆらゆらとぼんやりと
まるで夢を見ているかのような



本当に不思議な世界だった。





「 ………けい? いる? 」




何分経ったのだろう。



長い間続いた沈黙は、ノックの音と共に
どこか懐かしのある声によって破され


そぉーっと開いた扉に現れたのは
あの優しい笑顔で佇む





慧「 相葉、ちゃん…… 」


相「 へへっ、久しぶり 」





相葉先生こと、相葉ちゃんだった。



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新道踏切(プロフ) - 最近見つけて読んだら止まらなくなりました!更新楽しみにしてます(●´▽`●) (2021年1月3日 16時) (レス) id: 7158c48a17 (このIDを非表示/違反報告)
りみ(プロフ) - にゃごさん» コメントありがとうございます!ほんとに嬉しいです!!これからも読んでいただけるよう頑張りますね! (2020年3月27日 20時) (レス) id: 5d5b508ed3 (このIDを非表示/違反報告)
りみ(プロフ) - のぶちゃんさん» お待たせさせてしまいすみませんでした。コメントありがとうございます!!今後もどうかよろしくお願いします!! (2020年3月27日 15時) (レス) id: 5d5b508ed3 (このIDを非表示/違反報告)
りみ(プロフ) - みおさん» お待たせしてしまい申し訳ないです。コメントありがとうございます!!今後もよろしくお願いします!! (2020年3月27日 15時) (レス) id: 5d5b508ed3 (このIDを非表示/違反報告)
りみ(プロフ) - いのひかゆうやさん» 遅くなりましてすみません。コメントありがとうございます!!今後もよろしくお願いします!! (2020年3月27日 15時) (レス) id: 5d5b508ed3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:りみ | 作成日時:2017年10月15日 13時

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