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侑李side
山「 ふはっ、まさかビンタだとわね 」
侑「 しょうがないじゃん、体が勝手に…
それよりそっちの方こそ何怪我してんのさ 」
まだ少しじんじんと痛む右手に気づかない振りをして
未だにゲラゲラと笑う彼に話題を振る。
青い半袖のスクラブから見える白い包帯が
妙に痛々しかった。
山「 いやぁ、あいつがバカみたいに力強くてさ
でも俺のおかげで捕まった訳だし、感謝してよね 」
圭「 ほんとに感謝してるよ、もちろん知念にもね 」
裕「 うん、おかげでふたりも無事だったし 」
そんな言葉に自然と視線が集まる先には
スヤスヤと眠るふたりの姿。
頭に包帯が巻かれているものの
心地よさそうに寝ている大ちゃんと
酸素マスク越しにぽかーんと口を開け
これまた穏やかに寝ている慧
昼間の騒ぎが嘘かのように
静かな時間が流れていた。
圭「 でも何で今になってあの人が…? 」
山「 仮釈放中だったってさ。ふざけるなって話だけど 」
さっきのことを思い出したのか
低い声と曇る表情から、明らかに涼介の機嫌が悪くなる。
それにつられるように
圭人や裕翔も俯き、暗い雰囲気が漂う中
気づけば自分も、爪が食い込み跡になるほど
強く拳を握っていた。
無意識に鮮明に流れるさっきの映像の女は
髪の長さや化粧は違えど、真の姿はあの時と変わらない
大きな目の奥は底なしに深く、暗く
一度目線が合えば二度と外せないような
狂気に満ちたあの瞳。
体の奥底からゾワゾワと、悪寒が走った。
裕「 あ、僕達そろそろ行かないと。
慧の担当は僕らにしてもらうように伝えとくね 」
山「 ああ、ありがとう。その方が慧も安心だろうし 」
圭「 男の人のほうがいいもんね…
知念も、またあとでね 」
侑「 うん、またあとで 」
カンファレンス遅れちゃう、と
バタバタと騒がしく出ていった2人の足音に
大ちゃんの眉毛がピクッと動く。
侑「 大ちゃーん、分かる? 」
肩を軽く叩きながらそう声をかければ
手もピクッと反応し、ぎゅっと眉をひそめ
大「 …ぅん……ち、ねん…? 」
侑「 おはよ、大ちゃん 」
丸くつぶらな瞳がゆっくりと、開いた。
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新道踏切(プロフ) - 最近見つけて読んだら止まらなくなりました!更新楽しみにしてます(●´▽`●) (2021年1月3日 16時) (レス) id: 7158c48a17 (このIDを非表示/違反報告)
りみ(プロフ) - にゃごさん» コメントありがとうございます!ほんとに嬉しいです!!これからも読んでいただけるよう頑張りますね! (2020年3月27日 20時) (レス) id: 5d5b508ed3 (このIDを非表示/違反報告)
りみ(プロフ) - のぶちゃんさん» お待たせさせてしまいすみませんでした。コメントありがとうございます!!今後もどうかよろしくお願いします!! (2020年3月27日 15時) (レス) id: 5d5b508ed3 (このIDを非表示/違反報告)
りみ(プロフ) - みおさん» お待たせしてしまい申し訳ないです。コメントありがとうございます!!今後もよろしくお願いします!! (2020年3月27日 15時) (レス) id: 5d5b508ed3 (このIDを非表示/違反報告)
りみ(プロフ) - いのひかゆうやさん» 遅くなりましてすみません。コメントありがとうございます!!今後もよろしくお願いします!! (2020年3月27日 15時) (レス) id: 5d5b508ed3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りみ | 作成日時:2017年10月15日 13時