検索窓
今日:2 hit、昨日:0 hit、合計:44,022 hit

ページ21

侑李side




山「 ふはっ、まさかビンタだとわね 」


侑「 しょうがないじゃん、体が勝手に…
  それよりそっちの方こそ何怪我してんのさ 」



まだ少しじんじんと痛む右手に気づかない振りをして
未だにゲラゲラと笑う彼に話題を振る。

青い半袖のスクラブから見える白い包帯が
妙に痛々しかった。



山「 いやぁ、あいつがバカみたいに力強くてさ
  でも俺のおかげで捕まった訳だし、感謝してよね 」


圭「 ほんとに感謝してるよ、もちろん知念にもね 」


裕「 うん、おかげでふたりも無事だったし 」



そんな言葉に自然と視線が集まる先には
スヤスヤと眠るふたりの姿。

頭に包帯が巻かれているものの
心地よさそうに寝ている大ちゃんと

酸素マスク越しにぽかーんと口を開け
これまた穏やかに寝ている慧


昼間の騒ぎが嘘かのように
静かな時間が流れていた。



圭「 でも何で今になってあの人が…? 」


山「 仮釈放中だったってさ。ふざけるなって話だけど 」



さっきのことを思い出したのか
低い声と曇る表情から、明らかに涼介の機嫌が悪くなる。

それにつられるように
圭人や裕翔も俯き、暗い雰囲気が漂う中

気づけば自分も、爪が食い込み跡になるほど
強く拳を握っていた。


無意識に鮮明に流れるさっきの映像の女は
髪の長さや化粧は違えど、真の姿はあの時と変わらない


大きな目の奥は底なしに深く、暗く
一度目線が合えば二度と外せないような

狂気に満ちたあの瞳。



体の奥底からゾワゾワと、悪寒が走った。



裕「 あ、僕達そろそろ行かないと。
  慧の担当は僕らにしてもらうように伝えとくね 」


山「 ああ、ありがとう。その方が慧も安心だろうし 」


圭「 男の人のほうがいいもんね…
  知念も、またあとでね 」


侑「 うん、またあとで 」



カンファレンス遅れちゃう、と
バタバタと騒がしく出ていった2人の足音に

大ちゃんの眉毛がピクッと動く。



侑「 大ちゃーん、分かる? 」



肩を軽く叩きながらそう声をかければ
手もピクッと反応し、ぎゅっと眉をひそめ




大「 …ぅん……ち、ねん…? 」


侑「 おはよ、大ちゃん 」




丸くつぶらな瞳がゆっくりと、開いた。

 


続く お気に入り登録で更新チェックしよう!

最終更新日から一ヶ月以上経過しています
作品の状態報告にご協力下さい
更新停止している| 完結している



←▽



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (161 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
317人がお気に入り
設定タグ:Hey!Say!JUMP , 伊野尾慧 , 病系
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

新道踏切(プロフ) - 最近見つけて読んだら止まらなくなりました!更新楽しみにしてます(●´▽`●) (2021年1月3日 16時) (レス) id: 7158c48a17 (このIDを非表示/違反報告)
りみ(プロフ) - にゃごさん» コメントありがとうございます!ほんとに嬉しいです!!これからも読んでいただけるよう頑張りますね! (2020年3月27日 20時) (レス) id: 5d5b508ed3 (このIDを非表示/違反報告)
りみ(プロフ) - のぶちゃんさん» お待たせさせてしまいすみませんでした。コメントありがとうございます!!今後もどうかよろしくお願いします!! (2020年3月27日 15時) (レス) id: 5d5b508ed3 (このIDを非表示/違反報告)
りみ(プロフ) - みおさん» お待たせしてしまい申し訳ないです。コメントありがとうございます!!今後もよろしくお願いします!! (2020年3月27日 15時) (レス) id: 5d5b508ed3 (このIDを非表示/違反報告)
りみ(プロフ) - いのひかゆうやさん» 遅くなりましてすみません。コメントありがとうございます!!今後もよろしくお願いします!! (2020年3月27日 15時) (レス) id: 5d5b508ed3 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:りみ | 作成日時:2017年10月15日 13時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。