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慧side
まるで海底に沈んだかの様に
全身が重く、怠い。
それでも不思議と、苦しくはなかった。
ドクッドクと体に血液が巡り
すぅーっと息を吸えば、肺いっぱいに酸素が流れ込む。
それと同時に
なんだか体が軽くなって。
あぁ、この感じ
何度も何度も味わった。
暗闇からするこの声も、この機械音も
手に感じるこの温もりも
慧「 …っ……ぁぅ… 」
大「 慧っ⁉ もぉ…心配したんだからね⁉ 」
目を赤く腫らした、大ちゃんも。
慧「 ま、た……ないた、の? 」
寝起きと酸素マスクのせいで
うまく喋れない俺に
彼は目を潤ませながら
ぎゅっとキツく、抱きついた。
大「 ばかっ……泣いてないし 」
慧「 ふへっ…そう、なんだ 」
大「 なっ⁉ 信じてないだろ、ぜってぇ 」
隣でワーワー騒ぐ大ちゃんは
まさに幼い少年。
たまらずふはっと吹き出すと
笑うなっ!!とまた騒ぎ出す。
うん、いつもの大ちゃんだ。
常に喋ってて、ちょっとおバカで
動作が激しくて、でも笑顔は眩しくて。
そして人一倍、優しい。
大「 もぉ…罰として今度何か奢ることっ 」
また何か言い出した彼を見る俺の顔は
きっと、ニヤけていたと思う。
・
知「 うん、大丈夫そうだね。
ちょっとまだ血圧低いから、安静にする事 」
しばらくして、走る事も、焦った様子もなく
平然とした顔でやって来た知念。
酸素マスクを外してもらい
体も起こしていられるようになった。
また来るよと、せっせと出て行ったから
まぁ、仕事も忙しいのだろう。
それからは、また大ちゃんとお喋りしたり
宏太達が撮ったというビデオを見たり。
言われた通り、安静に楽しんでいた
そんな時だった。
ガラッとドアが開く音がして
圭人でも来たのだろうと、振り返る。
慧「 …っ⁉ な、んで……? 」
でもそこに居たのは
圭人でも山田でも裕翔でもなく
「 ふふっ…やっと、見つけたわ………けい 」
忘れもしない
不気味なあの笑顔で俺を見つめる
「 ほら……今度こそ。一緒に、行こ……? 」
あの女、だった。
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新道踏切(プロフ) - 最近見つけて読んだら止まらなくなりました!更新楽しみにしてます(●´▽`●) (2021年1月3日 16時) (レス) id: 7158c48a17 (このIDを非表示/違反報告)
りみ(プロフ) - にゃごさん» コメントありがとうございます!ほんとに嬉しいです!!これからも読んでいただけるよう頑張りますね! (2020年3月27日 20時) (レス) id: 5d5b508ed3 (このIDを非表示/違反報告)
りみ(プロフ) - のぶちゃんさん» お待たせさせてしまいすみませんでした。コメントありがとうございます!!今後もどうかよろしくお願いします!! (2020年3月27日 15時) (レス) id: 5d5b508ed3 (このIDを非表示/違反報告)
りみ(プロフ) - みおさん» お待たせしてしまい申し訳ないです。コメントありがとうございます!!今後もよろしくお願いします!! (2020年3月27日 15時) (レス) id: 5d5b508ed3 (このIDを非表示/違反報告)
りみ(プロフ) - いのひかゆうやさん» 遅くなりましてすみません。コメントありがとうございます!!今後もよろしくお願いします!! (2020年3月27日 15時) (レス) id: 5d5b508ed3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りみ | 作成日時:2017年10月15日 13時