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「兄さま、どうしましょう。」
呼ばれて立ち止まる。
「蝶が・・・。」
左を見る。
「蜘蛛の巣に絡まっています。」
「どうしましょう。」
「もちろん、助けるよ。」
黒包帯を解き、鋏を取り出す。
蝶の羽を切らぬよう、慎重に。
蜘蛛の糸は切れた。
蝶が飛びたつ。
「蝶が喜んでます!」
「綺麗だね。」
「ですね!」
少し歩いて延命が震える。
「に、兄さま・・・前・・・。」
前を見て、驚いた。
「大きな、蜘蛛が・・・。」
延命は蜘蛛に捕まってしまう。
「延命!?」
延命は蜘蛛の糸を巻かれ・・・。
「僕の妹に手を出すな!大きな蜘蛛よ!」
食べられる前に、蜘蛛を鋏が切り伏せる。
「大蜘蛛よ、絡み絡ませ呪い撒く
赤き鋏が、切り伏せて
蜘蛛の巣、赤く染まりゆく
呪いの鋏、赤くなりゆく。」
延命は泣いている。
「もういないよ。」
「兄さま・・・。」
延命は寝た。
連れて帰り、自分の寝床に寝かせる。
「貴女は蜘蛛で、僕は蝶だ。」
寝ている延命に向けてそう言った。
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