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「兄さま、どうしましょう。」
呼ばれて立ち止まる。
「蝶が・・・。」
左を見る。

「蜘蛛の巣に絡まっています。」

「どうしましょう。」

「もちろん、助けるよ。」
黒包帯を解き、鋏を取り出す。

蝶の羽を切らぬよう、慎重に。

蜘蛛の糸は切れた。


蝶が飛びたつ。

「蝶が喜んでます!」
「綺麗だね。」
「ですね!」



少し歩いて延命が震える。

「に、兄さま・・・前・・・。」
前を見て、驚いた。
「大きな、蜘蛛が・・・。」

延命は蜘蛛に捕まってしまう。
「延命!?」


延命は蜘蛛の糸を巻かれ・・・。

「僕の妹に手を出すな!大きな蜘蛛よ!」

食べられる前に、蜘蛛を鋏が切り伏せる。


「大蜘蛛よ、絡み絡ませ呪い撒く
赤き鋏が、切り伏せて
蜘蛛の巣、赤く染まりゆく
呪いの鋏、赤くなりゆく。」


延命は泣いている。
「もういないよ。」
「兄さま・・・。」

延命は寝た。


連れて帰り、自分の寝床に寝かせる。


「貴女は蜘蛛で、僕は蝶だ。」


寝ている延命に向けてそう言った。

夢現→←3章【蝶】



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作者名:極楽地獄 | 作者ホームページ:無い。  
作成日時:2020年1月25日 21時

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