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2章23話「幽霊船は君を呼ぶ(・・)」 ページ27

_筈なのに

ボォ、ボォと。ボォ、ボォと。
先程よりも大きくなっている

紅月は海なんかにあげない
海は紅月の素晴らしさなんて知らないんだ、と赤月は走ることを辞めて魔法で移動する


ボォ、ボォ

ボォ、ボォ、ボォ

赤月が振り返ると、その正面に高波が迫っていた


海へと投げ捨てられ、海へと棄てられ

でも、でも…
その手だけは握り続けておかないと。
離れぬように、離れられぬように。


hear(聞こえる)


聞こえる。


I'll help you guys(君達を助けてあげる)


………本当に?


Close your eyes...(目を閉じて…) Don't let go……(手は離さないで…)







that's enough(もういいよ)

その言葉を信じ、2人揃って目を開く

その先に拡がっていた光景は、とても眩しかった
ーー
海なのに…海じゃない
「■」「久しぶり、かも?」
僕達は死神という種族上、様々な仕事がくる
赤月「…多分、久しぶりだよ。」
「■」「……やっぱり、そうだよね。」
波も海も固まり、1つの風景と化している
「■」「僕。神としてじゃなくて僕として役に立てた…。」
赤月「嬉しいの?」
「■」「………わかんない。」
赤月「そっか。」
「■」「ねぇ、こっちに来てみて。凄く綺麗だから。」
………違う。

何か言いたげに紅月が止まる

違う、違う

「■」「どうしたの?■■くん。」
紅月を呼んだはずの言葉を聞いて、赤月も踏み止まった
「■」「?」
「■」「何かあった?」

「■」「……やめてよ。」
真後ろから聞こえてきた声に驚く
「■」「僕の姿で、僕の夢の中(ロワルデン)で悪さしないでよ。」
「憎い、憎い」「ドえして?」
偽っていた存在は、言葉を紡ぎながら形を変えていく
「憎い、憎い」「いツのってルのはそっチデシょう?」
違う、違う
何かを言いたげにしている紅月に、話せるようにと魔法を解く
紅月「…」
「憎い、憎い」
紅月「…嫌いなものは。」
「憎い、憎い」「カミいったく!」
紅月「………いい、です?」
赤月「いいよ。」
「■」「僕もいいよ。」



万死見ること亡き数多の星を
■■■■■■■■■■■■■

人々は何も知らずに生きていく
紅月「皆、孤独と知れ(ノムル・ロワルデン)



「憎い、憎い」「ニぃがみ風情が、あ……あァ……クソ、クソ、くそが!!!」
「憎い、憎い」「…なんで、死神なのに神の味方をしてるんだ。」
「私も、憎いの。消えないの。」「なんで__」

聞き取る前に消滅した

2章24話「幽霊船は君を呼ぶ(完)」→←2章22話「幽霊船は君を呼ぶ(・)」



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作者名:魔人。 | 作者ホームページ:無い。  
作成日時:2022年2月8日 0時

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