2章1話「落ちる」 ページ2
彼は夢から覚めた
………彼は夢を醒めた
ロワルデン…とは言えなくなった世界と共に奈落へと落ちて徂く
もう……考える事も……………………何もないのだと、もう一度目を閉じた…
ー■■■・■■ー
目を、開ける………
?
目が、開ける……………
その事に気付いてしまった。
…自分が助けられてしまった事に気付いてしまった。
目を開け、周囲を見回す
……ここは、この場所は。
“家”だ。僕達の家。
……その家の、和室。見覚えのある………和室………。
彼が助けたのだろう。
彼が拾ったのだろう。
執着心と独占欲の高い彼が。
彼がこの和室へ来たらきっと僕は怒られる。
だって、創造神としての役割を一切せずに創造神として君臨し続けたのだから。
ーー
■■「起きた?」
■「………………うん。」
困ったように、でも従順に
■■「数日寝てたからちょっとだけ不安だったんだ。」
■「…………ごめんなさい。」
気付かれないように、従順に
■■「大丈夫。」
■■「お疲れ。よく頑張ったね。」
自分が消えようとした事も、何もしていない事も
気付かれないように、悟られないように
いつもの調子で
「自分」というものを隠しながら、彼と話す。
■■「もうちょっとだけ寝ててもいいよ。」
■「………………うん。わかった。」
■■「…ねぇ、僕も一緒に寝てもいい?」
■「………………………うん、いいよ。」
できれば、独りがよかった。
2章2話「君達の知らないところで舟は壊れた(1)」→←コルラノPrologueー何か凄い場所へー
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