【浮世世界】（壊） (ページ9)

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小話「ロワルデン・現在状況」ページ9

赤月(通信、向こうから切ってくれた。)
赤月(………本人じゃなくても、優しいね。)
紅月「に…さま…。」
赤月「静かにしてて。隠れててよ。」
紅月「嫌……です。」
赤月「お願いだから隠れてて。」
紅月「う……はい………。」
紅月は近くの建物に隠れた
赤月「………よし。」
赤月は手慣れた様子で敵を蹴散らしていく
赤月(意外と少ないかも？いやでも…あのとき見えた数はかなり多かった筈だし…。)

赤月(警戒だけしておこうかな。)

ー
赤月「……痛…。」
紅月「…………。」
赤月「こ…げつ……？」
赤月(………凄く………痛い…。)
紅月「……。」
赤月(何が…起こっ…て…………？)
赤月はなんとか身体を起こそうとするが、薄らと映った影を見て動きが止まった
赤月(な、なに…なに…。)
赤月(こんな…大きいやつがいるなんて、聞いてない…！！)
赤月(あ、せ、せめて、せめて紅月だけは守らないと…………！)
赤月「ぃ゙……ッ」
紅月を庇って傷が出来る
その後、数発の傷を受けて赤月は意識を失った

痛い
あつい
くるしい
たすけて、たすけて、たすけて
たすけて、いたい
だれか、だれか

《そのままじゃ、負けるね。》
《負けちゃうね。》
《お兄さん、能力すらない君を庇って倒れちゃったね。》
《どうする？君も倒れる？》
《兄弟揃って死ぬ？消滅する？》
《どうする？どうする？》
や…だ…
《なんて？もう一回言って。》
消えたく………ない…
《うんうん、そうだよね。君の努力と、お兄さんの努力。両方無駄になるもんね？》
《お兄さんがゴミ以下の君を庇って倒れた意味がなくなっちゃうもんね？》
…僕は…そんな……
《…君、生前ゴミとして燃やされかけてたよね？》
ち、ちが…違う…
《認めたら？君はゴミ以下なの。お兄さんを喜ばせることしかできない無能でゴミ。》
《お兄さんが君を捨てないだけマシだと思った方がいいよ。》
う…あぅ…
《ゴミ呼ばわりされただけでよわよわになっちゃって、かわいいね？》
……。
《…助かりたいんでしょ？》
《……いい方法、知ってるよ。教えてあげるから、やってみる？》
やる……やります……

紅月「…………」
赤月「……。」
紅月「………………お」
憎い
紅月「……お前らなんか…」
憎い
紅月「お前らなんて、消えればいい！！」
憎い
紅月「…。」
にいさま以外の存在が

にいさまを傷付けた存在が

憎くて憎くて仕方ない
紅月「消えて…消えて塵になれ！！！」