序章6話「第二区域(2)」 ページ7
シェス(………。)
傍観者『シェス、起きて、起きてよ。』
シェス(…………。)
シェスは気付いていた
だから、起きなかった
シェスは、知っていた
近付いてくる存在の正体を
そして、この傍観者は“忘れている”という事実を
傍観者(どうしよう。シェスは起きてくれないし…どんどん近付いて来てるし……。)
傍観者は少し悩み、とあることを決めた
ー第二区域、中央周辺にてー
傍観者「…シェスが起きないんだから、仕方ない。」
シェス(……俺を、許してくれ。)
シェス(全てを知っている俺を…許してくれ……。)
傍観者「シェス、起きて。お願い。」
シェス(ごめんな、傍観者。ごめん、な…ノア。)
ノア?「………2人共、どうしたの。」
??『『忘れルナんて、酷い、ヒドイ………。』』
ノア?「………ごめん。」
??『『オいてイカないデェ、連れテいっテ…?』』
ノア?「………………連れて行って。」
??『『なァに?ナぁに?』』
ノア?「2人がいない世界は寂しいから、僕を連れて行ってよ。」
??『『イいの?いいノ?』』
ノア?「うん、いいよ。」
ノア?「ごめんね、シェス。」
ノア「さよなら、シェス。」
シェス「さよなら…ノア…。」
ノア「………………………!」
シェス(9代目の、傍観者。)
傍観者の彼は、大切な仲間と共にこの世界から去っていった
3人分の生命反応が消え、目を開く
シェス(アイツの名前は、ノア。9代目の身体と名前を持ち、310代目の記憶を持った、8532代目の傍観者。傍観者達の中の、イレギュラー。)
シェス(アイツ等とは、また会える。本来の世界で、本来の
シェス(お幸せに。)
枯れた涙が流れた気がして、腕で擦る
シェス(………気の所為か。)
ーー
シェス(………欠片だ。ノアの記憶の欠片だ。)
シェス(今は見れないだろうが…いつか見れるといいな。)
シェス(………………進むか。)
残念ながら、教えてくれた道は覚えている
1人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ