1章21話「明日を進めて今日をやり直す（2）」 ページ48
………………………この神父を除けば、だが。
ドグ神父はどこから取り出したのか、長くて太い木の棒を持っていた。
ドグ「………。」
ドグ神父は消えていない焚き木に近寄り、棒の端を炎の方へと差し出し棒に火を移した。
そしてその火を＿＿＿
ー巨大焼却炉前ー
カイツ「なんとか上手くいきました。」
そう言う彼の手は無限くん、と呼ばれた人物の手を握っていた。
アクゼ「そうだね。」
ネク「でも、跡はできた。」
カイツ達の後ろには、誰かが誰かに引き摺られた跡がしっかりと残っていた
アッシュ「この跡は…消さなくてもいいんじゃないか？」
カイツ「………………まぁいっか。」
アクゼ「………あ、誰か来たよ。」
アクゼが向いている方向には、遠いところから小さな赤い光がたあたあと揺れ動いていた。
カイツ「………誰？」
アッシュ「誰だ……？」
ネク「心当たりは？」
カイツ「ない。」
アクゼ「僕も。」
アッシュ「ちょっと見てくる。」
アクゼ「よろしく。」
そう言われる少し前にアッシュは狼の姿で光の方へと走って行っていた
カイツ「………入れていい？」
アクゼ「いいよ。」
ネク「………レチェラさんは？」
カイツ「レチェラさん。これ、入れていい？」
レチェラ「うん。」
彫刻「…未練は？」
レチェラ「醒めたらなくなった。今は彫刻様だけだから。」
カイツ「……あ、プレゼントは受け取ってくれた？」
レチェラ「うん。あの膝掛けは本を読むときとかに使ってる。」
ネク「アレ、アッシュが選んだんだ。アッシュにもお礼言っといて。」
アッシュ「何の話だ？」
ネク「贈ったプレゼントの話。どうだった？」
アッシュ「……木の棒燃やした神父がこっち来てる。」
ネク「………何か持ってた？」
アッシュ「色鮮やかな大きな袋を引き摺ってたな。手伝いに行こうと思うんだが、誰か一緒に来てくれ。」
アッシュ「…カイツは確定な。」
カイツ「え〜…。」
アクゼ「このメンバーで1番筋肉があるから仕方ないよ。」
カイツ「わかった。」
アッシュ「あともう一人。」
レチェラ「………私も行きます。」
アッシュ「ありがと。」
ー神父様は何をした？ー
アッシュ「手伝いを呼んできた。俺達に任せてくれ。」
レチェラ「………。」
ドグ「………。」
カイツ「レチェラさん、こっち持って。神父様はこっちを」
ドグ「はい。すぐに持ちますね。」
レチェラ「………っ、と。」
ドグ「………おも…。」
1章22話「明日を進めて今日をやり直す（3）」→←1章20話「教会（2）」
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