1章16話「再会から広がる話（4）」 ページ42
ぐちゃぐちゃになった服が床に放り捨てられている
彫刻「もうちょっとで朝食だよ。」
レチェラ「うん…。」
彫刻「昨日抱いただけでこんなに可愛くなっちゃうなんて……これは知らないうちに浮気しちゃってるのも仕方ないかも。」
レチェラ「……その、ごめんなさい。」
彫刻「…気にしてないよ。僕の元に帰ってきたんだから。」
レチェラ「…彼にはどう話せば……。」
彫刻「………………見せつけたらいいんじゃない？」
彫刻「撮ったやつを送りつけたり、ソイツの前で堂々としたらいい。」
レチェラ「……。」
彫刻「大丈夫だって。」
レチェラ「…うん。」
コンコンと、優しい音がドアから聞こえた
従者「ご主人様、恋人様。リビングにお食事をご用意しました。」
彫刻「ありがとう。」
従者「ごゆっくり。」
ベッドから降り、レチェラさんを抱っこしながらリビングへと向かう
彫刻「まだ眠い？」
レチェラ「……ふふ…ごめんなさい……。」
彫刻「……着いたよ。」
ー2階・リビング(朝食)ー
レチェラ「………………美味しそう。」
彫刻「でしょ〜。」
彫刻「…………食べよっか。」
レチェラ「うん。」
彫刻の魔人がフォークに手を伸ばしたのを見て、真似をしてみる
レチェラ(…………む、難しい…。)
レチェラ「……。」
彫刻「…………ちょっと待ってて。」
レチェラ「？」
ー
彫刻「はい、お箸。」
レチェラ「どこから…」
彫刻「急いで魔法で作った。」
レチェラ「…ありがと………。」
彫刻「美味しいのに食べられないのは嫌でしょ？」
レチェラ「………。」
レチェラはやっと普通に微笑んだ。
彫刻「……いい顔になった。」
レチェラ「え、そ、そう…？」
彫刻「うん。やっと可愛い笑顔が見れた。」
レチェラ「記憶通りの笑顔？」
彫刻「ちょっと違うけど、大体一緒。……記憶通りじゃなくていいんだけど。」
レチェラ「……うん、そうだね。」
ー朝食後ー
彫刻「…………そういえば、どうするの？帰る？」
レチェラ「あ…………。」
レチェラ「………………。」
レチェラ「……連絡入れてみる。」
彫刻「わかった。メール？」
レチェラ「電話…かな？」
彫刻「じゃあ聞かないようにするね。」
レチェラ「うん。」
レチェラは、頭に浮かんだ人物に電話をかけた＿＿
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