1章12話「混沌深海（5）」 ページ38
アクゼ「……カイツくん、おはよう。」
カイツ「………おはよ………………？」
アクゼ「朝…かな…眩しいや…。」
カイツ「ふあ…………。」
アクゼ「…カイツくん、眠そう…………。」
カイツ「……眠い…。」
アクゼ「………明日が来てるか、見なくちゃ………………。」
カイツ「そうだっ…た………………………。」
そう言った後、カイツからの反応はなくなった。多分、寝てしまったのだろう。
『今日』は不思議だった。知っている狼が、僕達をこの家へと連れ帰ってくれたのだ。
窓からの景色を見てみる事にした。
『明日』はちゃんと今日に来た。なら、大丈夫。
カイツくんとネクとアッシュと、あとレチェラさんで机を囲んで『明日』を祝ってみたい。
………言ったら聞いてくれるかな？
…朝日なんて浴びてたら、僕達は灰になってしまうかもしれないから。だからカーテンを閉めてもう一度寝よう。
今はそうしよう。
ー
ネク「…おはよう、2人共。皆起きたよ。」
ネク「起きて、2人共。」
聞き覚えのある声に起こされた。
ネク「あれ、カイツの方が早かった。」
カイツ「……おはよう、ネク………。」
ネク「おはよう、カイツ。」
数回揺すった。なのに起きない。
カイツ「…………キスしたら起きる？」
ネク「起きるかも……？」
カイツはアクゼにバレない程度に布団をずらしてアクゼの上に乗った
カイツ「………いい？」
ネク「……………うん。」
カイツはアクゼの唇に＿＿＿＿
ーーー
アクゼ「………カイツくん大好き…。」
アクゼ「………えへへ…。」
アクゼ「………………はぁ…………。」
あの後、アクゼはあまりにも嬉しすぎて感情がぐちゃぐちゃになってしまったらしく、少しぼーっとしている。
カイツ「だ…大丈夫………？」
アクゼ「カイツくん…………ん……。」
アッシュ「朝からちょっとだけアツいな、アイツら。」
ネク「朝はもう過ぎたよ。」
アッシュ「そうだな。」
ネク「………『明日』のことはありがと。あの2人、選ばれてたんだ。」
アッシュ「………見てたのか？」
ネク「君の遠吠えに起こされてちょっとだけ。」
アッシュ「………すまん。」
ネク「いいよ。……次の『明日』はいつかな。」
アッシュ「………いつだろうな。」
1章13話「再会から広がる話（1）」→←1章11話「目を覚ましたのは」
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