【浮世世界】（壊） (ページ33)

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1章8話「混沌深海（3）」ページ33

少し前。朝食を終えた後、ネクとアッシュはレチェラを連れて部屋に戻っていた
ネク「椅子に座る？」
レチェラ「…。」
ネク「座って。」
レチェラは渋々ベッドに座った。
ネク「…レチェラさん、大丈夫？」
レチェラ「………大丈夫…です。」
アッシュ「本当は？」
レチェラ「……あんまり。」
ネク「だと思った。どうしたの。」
レチェラ「………内容的に…とても言いづらいです。」
ネク「そっか。」
アッシュ「いつでも頼れ。俺達は仲間だ。」
レチェラ「………はい。」
ネク「…ちょっとだけここにいなよ。何もしなくていいから。」
レチェラ「……はい。」
ネク(…アッシュ、アッシュ…！！)
アッシュ(なんだ？)
ネク(カイツくん達に“アレ”聞いてきて。)
アッシュ(……わかった。)
アッシュはレチェラに気付かれないようにこっそり部屋を出た
ー1階・リビングー
ピンッと愉快な音がなり、ドアが開く
アッシュ(……エレベーターは使いやすいな。魔法で動いているから危険なときは消えて仕舞われるし。動かすときに使う魔法が難しそうなところだけが…ちょっとな…。)
近くにカイツとアクゼがいないか探していると、目の前をカイツが通った
アッシュ「カイツ、ちょっとだけ止まってくれ。」
カイツ「あ、アッシュ…さん…？どうかした…？」
アッシュ「ネクが“アレ”を…って言ってた。」
カイツは覚えていないのかその場で立ち止まり、小さく唸っている
ほんの少しして、なんとか思い出せたらしく口を開いた
カイツ「……わかった。アクゼくんに言ってくる。」
アッシュ「任せてもいいか？」
カイツ「うん、いいよ。」
アッシュ「俺はレチェラのところに戻る。」
カイツ「うん。」
カイツは微妙な顔でアクゼがいるであろうソファに戻って行った
アッシュ(……すぐ戻るのも嫌だし、飲み物でも持っていってやるか。)
ーネクの部屋？ー
アッシュ「ただいま〜。」
ネク「おかえり………飲み物持ってきたんだ。」
ネク「…レチェラさんの好み知ってるの？」
アッシュ「いや、知らん。」
ネク「それで持ってくるのは駄目じゃない…？」
アッシュ「………。」
アッシュはその一言でかなり焦ってしまった。
全て別の飲み物にしたが、その中にレチェラが飲めるものがあるかどうかはわからない。もしかしたら無いかもしれない。そう思うと、余計に焦りがくる。
アッシュ「あ〜…レチェラ、飲めるものがあったら飲め。無いならやめとけ。」
レチェラはゆっくりとコップに手を伸ばす