序章最終話「さよなら、死凶の世」 ページ23
ー■■■ー
桜の上で誰かの帰りを待つ者が1人
■「………………おかえりなさい、楔様。おかえり、夜烏様。」
楔「只今帰りました。」
夜烏「只今、識。」
楔『………寂しいですね。』
夜烏『そうだな………………。』
夜烏『なぁ、楔。』
楔『はい、どうしました？』
夜烏『………………………もし、使用人の数を聞かれたり、話す必要があるときは』
夜烏『
隣に座っていた楔は静かに微笑み
楔『そうですね。』
と優しく答えた
識という人物は、この屋敷でとても偉い使用人だった。
この家の者は皆、家族のような存在だった。
この家の主は夜烏で、この領域の主は楔。ここの者は皆、それを知っていても言わなかった。
だって、それを言えばこの家から追い出されてしまう可能性があった。
そして、この家を失うということは唯一の平穏を失うものと同じである。
それをよく知っていて、それの仕組みに気付いた頃。
楔の力が消えてしまいそうな事に気付いた。
楔の力が失くなれば、
だから、頼んだ。
私の命を元に、契約を持ちかけた。
“私の命をあげるから、楔の存在を永遠のものにして欲しい”
それが、識の唯一の願いだった。
それを知っていたからお互い何も言わなかった。
識はどんどん弱って、結果病死した。
“せっかくここで生きていたのだから、ここのどこかに埋めておこう”
そうして、識の死体を桜の近くに埋めた。
そうしたら、次の日から識が桜の木の上からこちらを見るようになった。
会話もできた。
だから、桜が満開になる季節には絶対にその桜の下で花見をした＿＿＿
あぁ、ここは。
そう、ここは。
ここは、迷い家。
そう、迷い家である。
ーどこかのなにかー
髏異「………………あれ、僕だけ後？」
祝福「…………まぁ、はい。」
髏異「………………………………あ〜〜………」
少し、考え…そして
髏異は何かに気付いたかのように口を開く
でも、どちらなのかはわからない。
だから、内緒の言葉でお話をした。
髏異「…………■■■■、祝福の魔神。僕の■■■■。」
祝福「………………………………！」
それを聞いた祝福の魔神は、嬉しそうにこう答えた。
祝福「■■■■、私の…………私の……………………」
END「隠される真実」
ーロワルデン・Prologueー→←序章18話「そろそろ終わりの時」
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