序章12話「第四区域（2）」 ページ15
レツ「まじんじゃないのにまじんのぶきをつかってもだいじょうぶなの？」
楔「彼は、大丈夫です。魔人(魔神)ではありませんが、それだけの実力を持っていますので。」
楔「……あ、これは本当に医療では無理ですね。」
氷雪「では、げんいんはなんですか？」
楔「この地と…怪異や霊の類の影響が混ざって彼の身体に悪影響を及ぼしたのでしょう。」
氷雪「なおせますか…？」
楔「治せます。」
氷雪「…よかった。」
レツ「うん、よかったね。」
楔「私の家に来ますか？」
レツ「あ、え…？い、いいの？」
氷雪「いいの…ですか…？」
楔「いいですよ。道中と家内と帰りの安全は保障します。」
氷雪「ありがとうございます…！」
レツ「…ありがとう。」
楔「では、ここを出ましょうか。彼は私がおぶっていくので2人は自分の事を優先してください。」
ー洞窟を出たー
楔「ここ、結構危険なんです。」
レツ「どうして？」
楔「術師や霊媒師等の専門のお方がいなくなってしまったので、結界がそろそろ限界を＿＿と、言っていたら本当に起こりましたね。こちらに寄ってください。」
楔「音速で家まで飛びます。」
レツ「あ、わ、わ…つかまる…！」
氷雪「わ、わたしも。」
楔(………………本当に可愛らしいですね。)
楔「目を閉じていてください。」
レツと氷雪は目をきゅ……っ…と瞑った
ー■■■ー
楔「もう着きました……あれ？」
楔「少し………遠いよ………」
後ろを振り向き、少し驚く
先程の怪異共の類が、第四区域からこちらへ波のように迫っていたからだ
楔「目を開けて、は、走って…！！」
レツ「わ、わ！！！！」
氷雪「どこですか！？」
楔「真っ直ぐ！」
夜烏「おかえ……………………背負ってる奴をこっちに投げろ！！」
夜烏「そこの2人。こっちに飛べ！」
レツ「ひょーせつ！おてて！」
氷雪「あ、は、はい！！」
レツは伸ばされた手をしっかり掴み、地を蹴り飛んでみせる
「家」が近くなった瞬間、少し開いていた縁側の障子から2人を受け止めるように暗い色の巨大な手が出て2人を家の中へと入れた
夜烏「お前も早く来い！」
楔「わかっています！」
夜烏「こっちを封鎖するのは後でもできる！」
楔「でも……」
夜烏「…………封鎖するなら早くしろ。」
楔「！！」
楔「……わかりました。すぐに行ってすぐに戻ります。家は閉めておいてください。」
夜烏「はいはい、いつものいつもの。」
序章13話「第四区域（3）」→←序章11話「第四区域（1）」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
