序章10話「第三区域(4)」 ページ13
シェス「お前は、名前も知らない弟に会いに来たのか。」
シェス「………………探してやるから…待ってろ。」
と、言っても…………その弟が誰なのかぐらいは知っている
だって、俺と仲の良いアイツの事をそのまま指しているんだ。仲がいいからすぐにわかる。
シェス「………………悪い。本当は、その録音で聞いていたときには誰の事を探しているのか気付いてたんだ。ただ、きっと聞いたことのない名前だから…伝えることが不安で仕方なかった。」
嘘じゃ…ない。
嘘なんかじゃ、ない。
シェス「お前達の弟の名前はな___」
ーー
_あ
シェス「………?」
___ありが、とぅ……_
シェス「………………………せっかくだし、今のお前達の場所を教えてくれ。お前の弟は連れて行かない。それだけは約束する。」
………絶対に連れて行かない………が…来ないかどうかはわからない。
アイツは………あの男はそういうヤツだ。
あの男は………長距離を聴き取れる地獄耳で、優しさがあって、助けようと思えば助けに行く。そういうヤツだ。
この会話も、聴き取れてしまっているかもしれない。
シェスは彼等の居場所を地図で確認し、いつか助けに行くことを決めた
■■■「………………。」
■■■(兄さん………姉さん………今更巻き込みたくない………なんて言わないで。)
■■■(僕は………………全然気にしてないから………。)
■■■(だから、助けさせてよ………。)
シェスはついでに送られたであろうここの地図を見ながら第四区域へと歩み始めた
シェス(まずは、右。)
ここは本当に住宅街のような場所だったらしく、家だらけだ
シェス(………………?)
シェスは足で何かを踏んでいることに気がついた
シェス(これは………なんだ………??)
それは開くことができる物で、開いてみることにした
シェス(………………………鏡…だったものか……?)
その物は、鏡であったとは言い切れないくらいに見た目が変わってしまっており、悲惨なことになってしまっていた
シェス(直せるなら直してやりたいが、これは無理だ。鏡の破片はどこにあるのかわからないし、形はひしゃげてしまっている。)
その道の職人(もしくは専門)でないと元通りに直すことはできないだろう
とりあえず、その鏡を預かることにして第四区域の方へとゆっくり歩いていった
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