【浮世世界】（壊） (ページ12)

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序章9話「第三区域（3）」ページ12

何分、もしくは何十分
どれだけの時間、目の前にいる存在を見続けたのか…もうわからない
シェス(でも…ちょっとだけわかってきたな…。)
生命体で…ただの生命体で……あってほしかった…
そう思い、シェスは苦労しそうだと泣きたくなった

シェス「……お前は、誰だ。」
こういう奴(欲望の怪物)の相手は敵対的なのかを確認する為に、コミュニケーションから入らなくてはならない
ピ＿ピ＿ガガッ＿ガッ＿

なんか………駄目だったらしい。
というか、まず言語から違う。
言語が違う気はしていたが、本当に違うとは思っていなかった。
どうしようか…と思ったが、「特徴だけで誰の欲望の怪物なのかが判るのでは？」という軽率すぎる考えが頭をよぎった

よし、やるか。

シェス(…………機械みたいなやつなんていたか……？？)
なんかもう駄目そうだ。
というか、自分の知らない相手だったらどうすればいいんだ？
ピピ＿ガガッ＿＿ガッ＿Ла＿

シェス「……。」
シェス(今、一瞬だけ聞こえた。それをもう少しだけ聞き取りたい…。)
シェス「もっと話してくれ。」
ピッ＿＿сестра＿извини＿ザ＿ザザ＿

シェス「…………。」
シェスは、その言語に聞き覚えがあった。
友達が話している言語だ。
でも、意味はわからない。
シェス(端末に翻訳機能はあったかな……。)

ピピッ＿Понял. Моя сестра тоже＿
シェス(……姉さん…コイツには姉がいるのか。)
ピッ＿ピッ＿＿торопиться. Я скоро вернусь.＿ザ＿ザ＿＿＿
シェス(…………途切れ途切れで全くわからないが、何かがあったことだけはわかる。)
ピ＿ピ＿ピ＿ピーーーーー＿
シェス(……？)
『姉さん、こ＿で、いいん＿な…？』
『うん、＿＿筈。』
『コイツに言語翻訳機能を＿＿＿』
『できた？』
『できた。』
シェス(……録音か。)
『え〜っと、私達の弟が見て＿か、それとも＿＿＿かは知らないけど、伝えておきたいことが＿＿て。』
『俺達、死んだんだ。それでこっちに来た。』
『……私達、ちょっ＿け厄介＿＿巻き込まれちゃってさ、出来れば＿＿ほしくないんだ。』
『……もう、俺＿＿＿せいで巻き込＿＿ほしくないんだ。』
シェス(…………弟思い…か？)
『＿愛してる。今のあんたの名前なんて知らないけど、それでも……愛してる。』
『俺も愛してる。』

＿ザザ＿＿＿＿＿ザ＿＿＿＿

『俺達は＿じゃない＿誰か…なんとか＿＿＿』