甘くて苦い、チョコレートのような。【wrwrd】 (ページ25)

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甘味24 ページ25

貴方side

二人きりが良かった、と思った数時間後。

それが叶った

シッマと大先生はなんとゾムっぴのご指名を受けて食事会(という名の食害)に行くことになったらしい。

トントンは私の指導がある、と私だけを残し二人を行かせたのだ。

尊い犠牲よ‥‥(遠い目)

とにかく、今のこの状況に感謝をせねばならん。

必ず、生きて帰って来いよ。(※彼らは食事会に行くだけです。)

「…もう、行ったよな？」

『おぉ～ん…多分？』

「そうか…ならA、帰ってもええで」

どうやら愛しのトントン君は食事会に行きたくなかっただけのようです。

せっかく、二人きりになれたのに、？

いつもなら『まあ、しかたない』と割り切ってしまう私だが、今日は何か違った。

彼に、気持ちを伝えたい。

彼だって、私の事を悪く思ってないはず。

根拠のない自信ばかり募っていく。

『っぁ…ま、って』

言ってしまった。

「ん、なんや？」

言うんだ、感じたことのないこの気持ちを、誰に対する想いなのかを

『っえ、と』

先ほどの自信とは裏腹に、最悪の事態が頭をよぎる。

怖い

『私…ッ

ト…ントンも食事会、行った方がいいんじゃないかなぁ～…』

「…はっ？なんで？」

『だ、だって、行きたくないから嘘、ついたんでしょ？誘われたんだから、行かなきゃ』

トントンの顔に焦りが生じる。

『あ、ゾムっぴに電話しよ～かなぁ』

諦めたようにため息をつく。

「はぁ‥‥わかった、行くわ。でもAは危ないから、帰れよ」

こんなとこまで私を気遣う‥‥

私の彼への想いは膨れ上がるばかりだ。