naive. (ページ2)

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＿＿＿高校入学前

その日はとても寒い日だった

セーラー服にコートを着て受験会場へと向かったわたし。

席に着いて、筆箱から鉛筆を出そうとしていた時

？「あれ、嘘やろ……どないしよ、」

隣の席からそう聞こえ、横を向くとカバンの中をガサゴソと探って何かを探している男の子がいた

眼鏡をかけた彼はかなり焦っている表情をしていた。

普段、自分から話しかけるタイプでは無いし、ましてやそれが全くの他人なんて尚更だけど

何故か放っておけなかった私は思わず声をかけた

「あの～………大丈夫、ですか？何かお探しでも？」

大橋「えっ？ああ！あの、実は筆記用具を忘れてしまって……」

「そう、なんです、、」

大橋「はい、すいませんうるさかったですよね、？」

「あ、いやいや！」

明らかにシュンとしている彼が可哀想に見えてきた私は、自分の使わない筆記用具を貸すことに。

「あの、私の使わない筆記用具で良かったらどうぞ、」

大橋「え！ええの？！」

「ちょっ、しっ、静かに」

彼のその大きな声で周りの人からの視線が痛かった。

彼が「すんません、すんません」とペコペコしながら頭を下げている姿に私は思わず笑みが毀れた

大橋「ほんまにありがとうございます！終わったら絶対返すんで！」

「あ、はい。お互い受験がんばりましょう」

大橋「はいっ！」

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