あの日の約束を、【時透無一郎】

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Aside





最近、変なことばかり起きている。






急に初対面の男の子に告白されて、


なんか付きまとわれて。





最初は少し怖かったけれど、



話すと悪い人ではなさそうだし、歳も同じくらい。






「顔のいい粘着質」





口に出し、クスッと笑う。






でもそれだけじゃなくて、すごく優しい人なんだろうということも分かってきた。









来ないでなんて意地を張ってしまっているけれど、本当は話している時間は楽しい。



ずっと病院の外に出ることが出来なくて、灰色だった世界が少し色づいた気がした。






ただの、普通の女の子になれた気がした。






でも、わかってる。



私は幸せになんかなれない。




あの人の、無一郎の笑顔を受けていい人じゃない。



好意を向けられても、私は応えられない。









私は小さい頃から心臓が弱く、病気がちだった。




何度も発作を起こして死にかけた。








みんなができること何一つできなくて、




全部諦めてきた。





いつ死ぬか分からない私が、誰かに執着なんてしたら、死ぬのが怖くなってしまう。






だから、夢は見ないようにしないと。




夢を見たところで、どうせ────








でも、


分かってるけど。








最近は、あの1回倒れてしまったあとから調子がいいから、もしかしたらこのまま回復して普通に暮らせる日が来るんじゃないか、とか。






無一郎に一緒にいたいって伝えてもいいんじゃないかって、思ってしまった。









今だけでいいから、短い夢でもいいから、




夢を見ていたかった。

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