夢のつづき【鬼滅の刃】【童磨】 (ページ33)

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夢現ページ33

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童磨side

普段寺院から出ることはあまりないのだが、今日は何となく外の空気を吸ってみたくなって、夜街の方へ行ってみることにした。

久々に上弦が集結してからはや半年。

猗窩座には相変わらず話しかけても無視されるし、玉壺ともあれ以来会っていない。

あー、そういえば青い彼岸花探さなきゃ。

前に釘打たれたばっかりだったもんな。

でも禰󠄀豆子とかいう鬼が太陽克服したとか言ってたし。

なんだかこれから大変そうだ。

ふと足を止めて空を見上げると、満月が雲から顔を出していた。

"童磨さん、見てください！月綺麗ですよ！"

"ほんとだ。綺麗だね"

あの時、話半分で、何がいいのか分からないままそう返した。

それでも、Aは嬉しそうな顔をしていた。

今でも、分からないままだ。

この月を見て綺麗だといった時のAの気持ちが。

夢の中でのあの日(･･･)、Aが結局何をしに行ったのかも。

あの子の笑顔を見たいと思ってしまう自分の心が。

最後まで、何も分からないままだった。

わかっても仕方ない。

もう死んでいるんだから。

死んだら土に還るだけ。

それは、自分が一番よくわかっていたはずなのに。

カラン

小さな音を立てて道を何かが転がり、俺の足元に当たる。

これは…ガラス玉？

しゃがんで拾い上げ、立ち上がろうとした時、

視界に桜色の着物が入る。

その着物に、見覚えがある気がした。

きっと気の所為だろう。

「これ落とした…」

思い直して顔を上げると、そこには少し前より大人びたAの姿があった。

『童磨、さん』

────これは、また夢だろうか。