_無一郎side ページ32
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しばらく、Aが去ったあともAが歩いていった道を眺めていた。
数年前に出会い、僕に輝きをくれた子。
本当に世間知らずで、放っておけなくて、甘味処で団子を幸せそうに頬張る横顔を、笑顔を、ずっと見ていたくて。
でも、時々切なそうな目をする時があった。
何かを思い出すような、誰かに恋い焦がれるような。
そして、ずっとはここにいるつもりはないんだろうと言うのも、薄々わかっていた。
"私、大切な人がいて"
鬼殺隊を辞める覚悟を決めるほどに、大切なだれか。
その、"大切な人"に僕がなれたら良かったのに。
そんなことも思ったりして。
心配は勿論あった。
いなくなって欲しくない、なんて何度も思った。
でも、応援すると決めたから、止めることはしなかった。
これでいいのかなんて分からない。
それでも、きっともう会えなくても、どこかで笑顔で生きてくれると信じて、あの時手を振った。
なのに、いなくなった途端、胸の中が空っぽになったような喪失感に襲われる。
どうしてなんだろう。
もうずっと、心の準備は出来ていたはずなのに。
「A」
小さく呟いた声は、誰かに届くことなく消えた。
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寺乃(プロフ) - 小姐さん» ぜひ見ていただけると嬉しいですー!✨ (9月20日 19時) (レス) id: db666116fc (このIDを非表示/違反報告)
小姐 - 新作だー!!絶対、見まーすっっっ!!^ ^ (9月18日 18時) (レス) @page3 id: d47bf1e932 (このIDを非表示/違反報告)
寺乃(プロフ) - ほしいも(*^^*)さん» ありがとうございますぅぅぅ!!頑張りまっす! (9月17日 16時) (レス) id: db666116fc (このIDを非表示/違反報告)
ほしいも(*^^*)(プロフ) - 新作おめでとうございます!!応援してますぇぇぇぇ (9月16日 19時) (レス) @page2 id: 88768a4726 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:寺乃 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Mui08081/
作成日時:2023年9月16日 16時