・ ページ4
「お目覚めですか?教祖様」
目を開けると、若い女が微笑んでいた。
「寺の門で助けて欲しいと言う夫婦がおります。どうしますか?」
『そうかい、こんな寒い中…じゃあすぐに通しておくれ』
笑顔をたたえたままそう言うと、女が下がり、部屋には中年の男女が入ってくる。
2人とも暗い表情をしている。
『やあやあ、どうしたんだい?話してごらん』
そう優しく声をかけると、おどおどとしながらゆっくり顔を上げる。
またにっこりと笑ってやれば、安心したのか女の方が涙を流し始める。
話を聞くと、どうやら夫の方が借金を作って首が回らなくなり、借金取りから逃げてきたらしい。
そんなの自業自得じゃないか。
馬鹿だなぁ、本当に。
ここに来る人達は、辛い辛い、どうにかしてくれと嘆くばかりで、本当はもう聞くことにもうんざりしている。
そんなことを俺に言ったことで、何かが変わるとでも思っているんだろうか。
そんな頭だからこんなことになっているんじゃないかと思えてくる。
本当に、可哀想。
俺の仕事はその可哀想な人たちを救うこと。
俺の一部になれば、何も苦しくなくなる。
永遠の瞬間をすごせる。
ひとまず2人を今日ここに泊まらせることにして、
あと数日経ったら女の方は喰って男には女は逃げたとでも言ってここに仕えさせようか。
考えながら2人を下げさせる。
その後も十数人の信者の話を聞き、全て終わったのは深夜だった。
特にこれから何かをする気も起きず、畳の上に寝っ転がる。
__今から寝れば、またAの夢をみられるだろうか。
そんなことを思いながら目を瞑った。
65人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
寺乃(プロフ) - 小姐さん» ぜひ見ていただけると嬉しいですー!✨ (9月20日 19時) (レス) id: db666116fc (このIDを非表示/違反報告)
小姐 - 新作だー!!絶対、見まーすっっっ!!^ ^ (9月18日 18時) (レス) @page3 id: d47bf1e932 (このIDを非表示/違反報告)
寺乃(プロフ) - ほしいも(*^^*)さん» ありがとうございますぅぅぅ!!頑張りまっす! (9月17日 16時) (レス) id: db666116fc (このIDを非表示/違反報告)
ほしいも(*^^*)(プロフ) - 新作おめでとうございます!!応援してますぇぇぇぇ (9月16日 19時) (レス) @page2 id: 88768a4726 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:寺乃 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Mui08081/
作成日時:2023年9月16日 16時