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あれから、ずっと考えていた。
私はどうするべきなのか。
何が正解なのか、私はどうしたいのか。
…でもきっと、私の気持ちは決まっている。
でも、私の気持ちではどうにもできないこともある。
それに、この決断をしたらきっと多くの人を裏切ってしまうことになる。
それでいいのかどうか、私にはまだ踏ん切りがつかない。
「A?」
『あ、はい!』
ぼーっとしていた私の顔を無一郎さんが覗き込む。
「大丈夫?最近ぼーっとしてるけど」
『すみません、お願いします』
稽古中だと言うのに。こんなだから前の任務でも大怪我をおったんだ。
竹刀を構え直すと、無一郎さんに竹刀を取られる。
「…今日は終わり。」
『え、待ってください、私…』
「意識がどっか行ってる人に教えても時間の無駄」
私から取上げた竹刀を片付けながら冷たい声で言う。
怒ってる。
それはそうに決まってる。
もっとちゃんとしなきゃ行けないのに。
せっかくこうやって無一郎さんに稽古をつけてもらっているのに、こんなんじゃ…
「何に悩んでるの?」
『え?』
「いっつもなにか考え込んでるよね」
気づかれてたんだ…
どうしよう、
『…すみません。』
「謝れって言ってる訳じゃなくて…僕ってそんな頼りない?」
呆れたように無一郎さんがため息をつく。
『そんなことないです、』
「じゃあ話してよ」
無一郎さんに詰め寄られ、口を開く。
『…昔、大切な人と思わぬ形で別れてしまったんです。私を育ててくれた人で、すごく、すごく大好きな人で』
でも、その人は、鬼だった。
『…家への帰り方も分からないから、会いに行くことも出来なくて』
違う。本当は帰ろうと思えば帰れたはずだ。
なのにそうしなかった。
鬼だと知る前から。
行動が制限されていたから、自由に、なりたかったのかもしれない。
感情が読めない童磨さんを、少し怖く感じてしまっていたかもしれない。
分からない。
でも今はひたすら、童磨さんに会いたい。
『それに、場所がわかったとしても会いに行くことなんて、できないんです』
そう、会いに行くことなんて、許されない。
鬼殺隊である以上、鬼の元へ行くなんて、ありえない話。
そんなことがあれば、無一郎さんにだってきっと迷惑がかかってしまう。
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すみません!
まだ途中なのに公開しちゃってました💦
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寺乃(プロフ) - 小姐さん» ぜひ見ていただけると嬉しいですー!✨ (9月20日 19時) (レス) id: db666116fc (このIDを非表示/違反報告)
小姐 - 新作だー!!絶対、見まーすっっっ!!^ ^ (9月18日 18時) (レス) @page3 id: d47bf1e932 (このIDを非表示/違反報告)
寺乃(プロフ) - ほしいも(*^^*)さん» ありがとうございますぅぅぅ!!頑張りまっす! (9月17日 16時) (レス) id: db666116fc (このIDを非表示/違反報告)
ほしいも(*^^*)(プロフ) - 新作おめでとうございます!!応援してますぇぇぇぇ (9月16日 19時) (レス) @page2 id: 88768a4726 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:寺乃 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Mui08081/
作成日時:2023年9月16日 16時