検索窓
今日:21 hit、昨日:33 hit、合計:9,209 hit

_ ページ19

あれは、年末が近づいた頃だっただろうか。





なかなか1人では外出させて貰えなかったから、


買い物にはいつも"信者"について来てもらっていた。








「おい、そこのお嬢ちゃん」





街を歩いていると、誰かに話しかけられ、振り返ると年配の男性が杖をついて立っていた。




「はい…?」




「何か御用でも?」





警戒した様子で"信者"が聞く。






「大丈夫です。」





"信者"をおしのけ、どうしました、と男性に聞く。







「いやぁ、べっぴんさんだなぁと思ってねぇ…これ、あんたに似合うと思ったんだよ」





「え?」



何かを手渡される。



手に乗っているものを見ると、何かがキラキラと光っている。



「綺麗…」




手に乗っていたのはガラス玉で、月に照らすと見る角度から色が変わり、






まるで、童磨さんの目のように、虹色に輝く。





「いいんですか?これ…あ、お金払います」




いいんだよ、とニコニコと笑う。




「これ、売り物ですよね…?」




「まあな、でも朝のうちしかここでは売ってないから、これは贈り物だと思ってくれよ」





朝、なんだ。売ってるの。





どうしても、童磨さんにも見てもらいたい、



でも、貰い物をそのままあげるのも、好意を踏みにじっているようでなんだか嫌だ。





じゃあ、買いにこればいい。





『わかりました。明日、朝もう一度買いに来ます!』





あの時、初めて童磨さんに贈り物ができることが嬉しくてしょうがなかった。




世間知らずな私が、ひとりで早朝に出かけるなんて



辞めておけばよかったのに。








もう、今更後悔しても遅いけれど。

_→←_



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.7/10 (29 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
65人がお気に入り
設定タグ:鬼滅の刃 , 童磨 , 時透無一郎
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

寺乃(プロフ) - 小姐さん» ぜひ見ていただけると嬉しいですー!✨ (9月20日 19時) (レス) id: db666116fc (このIDを非表示/違反報告)
小姐 - 新作だー!!絶対、見まーすっっっ!!^ ^ (9月18日 18時) (レス) @page3 id: d47bf1e932 (このIDを非表示/違反報告)
寺乃(プロフ) - ほしいも(*^^*)さん» ありがとうございますぅぅぅ!!頑張りまっす! (9月17日 16時) (レス) id: db666116fc (このIDを非表示/違反報告)
ほしいも(*^^*)(プロフ) - 新作おめでとうございます!!応援してますぇぇぇぇ (9月16日 19時) (レス) @page2 id: 88768a4726 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:寺乃 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Mui08081/  
作成日時:2023年9月16日 16時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。