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それからまた、無気力な、ただ信者の話を聞き、人を食うだけの日々が続いた。





家には、Aが残した面影だけが残り、




置いていったものは片付けようにも、片付けられない。




いつまでこうしているつもりなんだろうか。






いい加減忘れないといけないのに。





夜、ぼーっと、いつものように椅子に腰掛けていると、戸を叩く音がした。





また信者が来たのか、と思い、誰かに対応させようと思うが、周りには誰もいない。



俺が出るしか無さそうだ。



重たい足を動かして、玄関へ向かい、





笑顔を作ってから扉を開ける。




「ごめんねぇ、またせちゃっ…」



て、という前に、そこにいた人の顔を見ると、酷く懐かしい顔があった。






この世に、存在するはずがない、




何度も、戻ってきてくれることを思い描いていた人が。






思わず、裸足のまま外に出て強く抱きしめる。





『童磨、さん…』





その子は、恐る恐る、俯いていた顔を上げる。





「A…?どう、して」





『だいぶ、遅くなったけど、帰ってきてしまいました。待っててくれたんですね』




涙で濡れた目で、柔らかか微笑む。





「童磨さん…?どうしたんですか?」




『え?』




「涙が、」



柔らかく、暖かい手で優しく俺の頬を撫でる。




「これからは、もう何処にも行きませんね」




そう微笑んだはずのAの顔が、突然くずれていく。


握ったはずの手も、するりと抜けてしまう。





『A…?』





その時、はっと目が覚めた。





「教祖様、大丈夫ですか?魘されておりましたよ」








あの後、もうAは夢には出てこないと思っていたのに、時系列に進んでいたということ以外は変わらず、夢に出てくる。











いくら夢を見たところで、現実はAとは会えない。




もう、夢にはうんざりだった。

現_→←_



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寺乃(プロフ) - 小姐さん» ぜひ見ていただけると嬉しいですー!✨ (9月20日 19時) (レス) id: db666116fc (このIDを非表示/違反報告)
小姐 - 新作だー!!絶対、見まーすっっっ!!^ ^ (9月18日 18時) (レス) @page3 id: d47bf1e932 (このIDを非表示/違反報告)
寺乃(プロフ) - ほしいも(*^^*)さん» ありがとうございますぅぅぅ!!頑張りまっす! (9月17日 16時) (レス) id: db666116fc (このIDを非表示/違反報告)
ほしいも(*^^*)(プロフ) - 新作おめでとうございます!!応援してますぇぇぇぇ (9月16日 19時) (レス) @page2 id: 88768a4726 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:寺乃 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Mui08081/  
作成日時:2023年9月16日 16時

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