検索窓
今日:4 hit、昨日:48 hit、合計:9,240 hit

_ ページ15

『?…どうしたんです?』




Aが不思議そうに振り向く。





「行くのは、今日じゃなきゃ駄目なの?」





『…はい。今日じゃないと、駄目なんです。』






「どうしても?」



『はい、どうしても。』





「じゃあ、俺もついて行くから」




『しつこいですよ。童磨さん、日光当たれないんでしょう?』




「…じゃあ、夜にでも、」




『夜じゃ、駄目なんです。』






「じゃあ、」




『お願いします。今回だけでいい。ひとりで行かせてください』




懇願するような目で見る。






でも、許してしまったら、







『すぐに帰ってきますから』





ずっと、帰ってこなかったじゃないか。




俺に顔を見せる前に、死んでしまったじゃないか。





『なんで、そんなに1人にさせるのを嫌がるんですか?』





いなくなって欲しくないんだ。



ずっと、手放したくなかった。



心地が良かった、俺が守っていたいと思った。



こんな気持ちになったのは、初めてだったんだ。







『お願いします。ね?』





そう、小さい子を宥めるように掴んだ手を握り微笑む。




俺は昔から、この子の笑顔には弱かった。





離さないと決めていたのに、意志とは逆に自然に手を離す。





『約束です。すぐそこまで買い物に行くだけですから。あ、お土産も買ってきてあげますね』





ふふっ、と笑って扉を開ける。




『では、行ってきます、童磨さん』






扉が閉められ、Aの姿が見えなくなる。









夢の中ですら、俺はAのことを止められなかった。

_→←夢_5



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.7/10 (29 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
65人がお気に入り
設定タグ:鬼滅の刃 , 童磨 , 時透無一郎
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

寺乃(プロフ) - 小姐さん» ぜひ見ていただけると嬉しいですー!✨ (9月20日 19時) (レス) id: db666116fc (このIDを非表示/違反報告)
小姐 - 新作だー!!絶対、見まーすっっっ!!^ ^ (9月18日 18時) (レス) @page3 id: d47bf1e932 (このIDを非表示/違反報告)
寺乃(プロフ) - ほしいも(*^^*)さん» ありがとうございますぅぅぅ!!頑張りまっす! (9月17日 16時) (レス) id: db666116fc (このIDを非表示/違反報告)
ほしいも(*^^*)(プロフ) - 新作おめでとうございます!!応援してますぇぇぇぇ (9月16日 19時) (レス) @page2 id: 88768a4726 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:寺乃 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Mui08081/  
作成日時:2023年9月16日 16時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。